【中国語検定の定番はHSK、中国語検定、通訳案内士】

 

折角、中国語を学習するのだから、資格を取って転職や就職に役立てようと考えている方もきっと多いことでしょう。調べてみると、中国語検定の定番は、タイトルの通り、中国語検定やHSKです。最近はたくさんの台湾や中国人の観光客が日本に旅行に訪れていることから、通訳案内士の資格試験も当然高いニーズがあります。しかし一方で、訪日外国人が増えることにより、問題になっているのが、外国人が病院を訪れた時に言葉が通じないという問題。そこで今回は、職業・就職・転職に役に立つ中国語の資格の一つとして、医療通訳関係の仕事について紹介をしたいと思います。

 

参考資料:外国人増加で重要性増す「医療通訳」 求められる“質と量” 産経新聞 2014.11.9 04:37

訪日外国人旅行者受入可能な医療機関を全国に320ヵ所選定しました~訪日外国人旅行者の安心・安全確保への取組みについて~観光庁

伊藤忠商事, 中国語がペラペラ話せる人材1千人を育成!実は伊藤忠が中国語教材を出していた件:中国語は就職転職に有利でお奨めかも!

 

【医療通訳とは?】

 

医療通訳について簡単に説明すると、病院などの医療現場で、患者と医者や医療関係者との間のコミュニケーションを取り持ち、通訳をする仕事です。自分の症状を的確に伝えることは日本語ですら大変なこと。英語なら少し。。。でも大方の日本人は中国語ともなるとお手上げ状態の人が殆どでしょう。まして、患者が急病や事故で倒れたりしているような、緊迫した状況下なら尚更です。症状を外国語(中国語、英語、etc…)正確に伝えられなければ、患者の命が危険にさらされることにもなりますし、治療後のトラブルも想定されます。そんなとき、頼りになるのが、患者と医師の言葉を的確に通訳して、外国人の患者さんと医者・医療関係者(スタッフ、看護師等)のサポートをする医療通訳士です。

 

文字で説明するより、実際の医療現場の会話を中国語で聞いて見た方が早いと思いますので、以下のサイト(中国語学習ジャーナル)で内容と音声を確認をしてみましょう。

中国語医療通訳トレーニング:第1回 受付/挂号处

 

A:您哪儿不舒服?
B:我嗓子疼,咳嗽,好像还有点儿发烧。
A:您是第一次来我们医院吗?
B:是的,这是第一次。
A:第一次来需要先填这个表格、请您填一下。请问,您带医保卡了吗?
B:带着呢。请问,我应该看哪个科呢?
A:请先到内科看一下。如果内科医生认为需要看呼吸科,他们会直接介绍您去呼吸科的。
B:好的,谢谢。

出典:中国語学習ジャーナル

 

検定試験にはどんなものがあるのか、以下で見ていきましょう。

 

医療通訳士技能検定試験

 

一般社団法人 日本医療通訳協会が実施する「医療通訳士技能検定試験」は、年2回行われており、一次試験「筆記」と二次試験「面接」で構成されています。面接では、語学力や通訳スキルのほか、医療知識や取り組む姿勢、礼儀、服装までが採点対象となります。

 

一般般社団法人 日本医療通訳協会

原則として年2回、下記の通り実施いたします。
1次試験 4月及び 10月の第3日曜日(2018年春は4月15日)
2次試験 5月及び 11月の第3日曜日(2018年春は5月27日)
技能検定判定基準
医療通訳1級 医療全般にかかわれる通訳レベル(重症の病気に対応できるレベル)
医療通訳2級 健康診断・検診には対応可能レベル
試験のシステム
1次試験 筆記試験
120分の試験で、10問の問題で構成されています。
内容は厚生労働省の標準カリュキラムを参考として、医学知識・医療制度そして医療通訳者の倫理と幅広く出題をしています。
試験結果は点数によって1級・2級の判定がつきます。
2次試験 面接試験(ロールプレイ)
2次試験は1次試験合格者を対象に実技のロールプレイイング試験を実施します。
医療知識・語学力・通訳力・礼儀・態度・服装等が評価基準となっています。
実際の医療通訳現場では事前に患者の症状を通訳者に伝えていますので、ロールプレイの試験でもWebサイト上で試験のテーマを試験前に発表しております。
また、採点方法は教室で2人の試験官が採点しますが、慎重を期す意味からも録音を行い、他の試験官が聞き、突合せの会議を行って最終判定を確定します。

 

 

医療通訳技能認定試験

 

一般財団法人 日本医療教育財団による資格試験です。受験資格は以下の通りです。試験は1次試験、2次試験がそれぞれ年一回ずつ行われます。1次試験費用( 6,000円) 2次試験費用(15,000円)となっています。

 

  1. (1)「医療通訳専門技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認める研修・講座等を履修した者
  2. (2)医療通訳者として2年以上の実務経験を有する者
  3. (3)医療通訳基礎技能認定試験の合格者で、医療通訳者として1年以上の実務経験を有する者
  4. (4)認定委員会が前各号と同等と認める者
【1次試験】 ・筆記試験      四者択一式・選択式/60分
・リスニング試験  選択式・記述式/20分
【2次試験】 ・対話通訳試験(対面)  一人 30分程度
受験料 【1次試験】 10,000円 (英語・中国語)
【2次試験】 15,000円 (英語・中国語)

出典:一般財団法人 日本医療教育財団

 

【まとめ:医療通訳の認知度はまだまだ。今がチャンスかも!】

 

今回は、医療現場で医師と患者の橋渡しをおこなう「医療通訳」の仕事について紹介しました。しかしながら、ニーズの高まりの割には認知度が低く、資格を取る方もコストがかかるのは当然のこと、その有資格者を雇わなければならない病院のコスト負担(当然保険に医療通訳に従事する人の人件費は想定されていない)の問題等、資格試験とは別に解決していかなければならない問題が多そうです。しかしながら、こうした専門分野の通訳や翻訳については、ニーズが極めて高く、また社会貢献度が極めて高いという点も、他の資格にはない特徴ではないでしょうか?その他、会議・ビジネス・政治通訳、司法通訳、放送通訳、スポーツ通訳etc..様々な専門分野の資格があるので、興味のある方は色々と調べてみるとよいかもしれません。

 

尚、本ブログでは、これまで中国語ネイティブも奨める役立つ中国語学習参考書音声CD付 の他、学習効果が高い中国語教材おすすめランキング:中国語学習で迷ったらこれを買おう!初級・中級者篇にて優れた教材を紹介しておりますので、是非一度ご確認頂くことをお奨め致します。仮に医療通訳の勉強を始めるにせよ、日常会話や動詞を活用した実践的な文法学習は、全ての語学学習の基礎となります。

 

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