さて、本ブログでは今まで中国語の学習教材(学習効果が高い中国語教材おすすめランキング:中国語学習で迷ったらこれを買おう!初級・中級者篇)や中国語に関する興味深いトピックスを紹介してきましたが、これからはシリーズで中国語の勉強法について、中国語の達人達による様々な観点での中国語勉強法を紹介していきたいと思います。第一弾として、「ぶっちゃけ神速中国語講座」の著者である石風呂貴一さんの中国語勉強法を紹介したいと思います。

 

スーパーの店員から一念発起して中国に留学:独自のメモライジングを用いた学習メゾットを確立

 

超効率いいメモライジング(Memorizing)で、『神速』のスタートダッシュを!!

 

皆さん、こんにちは!『ぶっちゃけ神速中国語講座』の著者、石風呂 貴一(いしふろ きいち)と申します。

ぶっちゃけ神速中国語講座 (china.jpn.com)

皆さんはきっと、中国語の勉強法について日々試行錯誤されていることだと思います。ご存知の通り、中国語はもはや政治・ビジネス・エンタメ等様々な分野で必須のスキルと言ってもいいほど学習の必然性が増しています。

ですが、現実は英語と比べれば書店やネットでの中国語の扱いは『数ある外国語の一つ』程度の扱いしかされておらず、その勉強法も一部のプロやマニアと呼ばれる人達によって形成されたごく小さなコミュニティで細々とシェアされているにとどまっている・・・。

 

その一例として、英語と中国語の代表的な資格試験の受験者数を比較してみましょう。

HSK(漢語水平考試、TOEFLに相当。中国政府公認の中国語検定試験)・・34,018人(約3.4万人)

中国語検定・・・29,935人(約3万人)

TOEIC・・・・2,660,300人(約300万人)

英検・・・・・3,855,068人(約400万人)

(データはそれぞれ2018年時点のもの)

 

このように、受験者数の単純比較でさえ1対100の差があることが見て取れます。中国語に興味のない人からすれば「TOEICや英検なら聞いたことはあるけど、HSKって何?」というくらいに中国語はマイナーな扱いを受けています。

その結果、今の日本ではビギナーが中国語学習を始めるにはハードルが高すぎるというイメージ何となく植え付けられているため、勉強法が認識されにくい状態にあるのです。

 

少しだけ私の身の上話をすると、私は地方の国立大学を卒業後、地元のスーパーに就職しましたが、2年弱で退職。中国語学習を始めた当時の私は、25歳離職中という悲惨な状態・・・そこから一念発起し、スキルアップとさらなるチャンスを見つけるために決意したのが、学生時代唯一心血を注ぐことができた中国史に関連した、中国語でした。

 

日本で半年独学で中国語を学んだのちに中国へ留学し、僅か1年(日本で半年、中国で半年)でHSK5級、3年でHSK6級を取得、そして現地の大学院を修了し、在学中から習得した中国語を活かして、現在は中国現地の企業で翻訳業に従事するまでに成長することができたのです。

 

私が中国語を勉強する過程で気づいたのが、文法知識をガチガチに固めるまで実践から距離を置く、いわゆる「教科書通りの勉強法」がいかに遠回りで非効率、且つネイティブが話す中国語との齟齬が多いか、ということでした。

 

そこで私は、身の回りのもの全てを用いた「活きた」中国語を学ぶ勉強法に転換したことで、まさに『神速』の如く中国語を身に着けることに成功し、上記のような再スタートを切ることができたのです・・・!!

そこで今回は、『英語と中国語を学ぶ人のブログ』様の場所をお借りして、私が提唱している『神速中国語勉強法』から、超効率のイイ中国語習得ノウハウの一部をお教えします(≧▽≦)!

 

 

中国語学習の大原則

まず、『ぶっちゃけ神速中国語講座』が提唱している中国語学習の大原則として3つの項目を紹介したいと思います。

 

(1) ノートに書いて徹底的に覚える

新出単語や代表的な文型は、必ず「読む」と同時にとにかく自分で手を動かし「書いて」覚えましょう。人間の手先には多くの神経細胞が集まっているため、「書く」という行為によって脳が活発に動くことになり、自然と集中力が上がって勉強が捗るようになります!

 

(2) 発音を恥ずかしがらない。

大きな声で発音することに抵抗がある人も多いでしょうが、声に出さなくてはペラペラになることは不可能ですよね?

☆声を出せない満員電車の中ではどうするか?イヤホンを装着してブツブツ言うだけでも反響して自分の声が聞こえてくるので、とにかく声出ししてみましょう!

 

(3) メモをとって一つずつ解決する

「これはどういえばいいんだろう?」と思ったらすぐさまメモをして調べる準備をしておく。日々、『問題→解決』を積み重ねて中国語を自分のものにしていきましょう。ですが、スマホのメモのみでは記憶に定着しにくいので、スマホでざっとまとめたら必ず後でメモ帳やノートに落とし込みましょう!

 

メモライジング(Memorizing 読んで書いて覚えこむ)

中国語をマスターする第一歩、それは・・・・

メモライジング(Memorizing 読んで書いて覚え込む)です。メモライジング(Memorizing)は、直訳すると読んで字のごとく暗記という意味ですが、『神速中国語勉強法』では学習のスタートから効率重視のメソッドをガンガン実行していきます。

普通に思いつくであろう単語の暗記方法は・・・・

  1. 発音を覚える
  2. 漢字を覚える
  3. ピンイン・声調を覚える
  4. 意味を覚える
  5. 定着

・・・という手順ですね。

 

この勉強法はご覧の通り、漢字ピンイン声調発音意味をバラバラに覚えるもので、日本語のひらがな・カタカナや英語のアルファベットの覚え方をベースとしています。日本の学校教育では英語の入門では、発音に時間をかけて授業をするのがその典型例ですね。

 

一文字意味も一つという言語であればこの勉強法でも理にかなっていますが、中国語は一つの漢字にしばしば複数の読み方・意味が存在します。このように表記・表意が必ずしも表裏一体、イコールの関係になるとは限らない言語では、漢字ピンイン声調発音意味が体系的に結びつく実感が湧きにくく、かえって非効率です。

 

そのため、『神速中国語勉強法』のメモライジングでは・・・・・

  1. 漢字ピンイン声調発音意味を同時に覚える
  2. 定着!!

・・・という方法で暗記をします。これならば、読み書き理解の三拍子+発音を一度に習得できるので一単語ごとでもより効率よく習得できます。漢字を自由自在に使いこなせる日本人ならではの勉強法と言えるでしょう。

 

ではメモライジングには具体的に何をすればいいのかというと・・・

「漢字の意味」に着目しながら基本に忠実に単語や文法についてテキストの内容を調べ、そして「読んで」「書いて」覚える。

え、そんなフツーで悠長なことしていていいの?・・・いいんです!!いいんですよそれで!!

 

中国語学習を始めたばかりの頃はオーソドックスに読み書き理解の三拍子+発音きちんと把握することを意識しましょう。基本的にはテキストの内容に沿って学習を進めていけば問題ありませんが、疑問を感じた部分には、辞書ツールやネット等を駆使して、背景知識まで深めていきましょう。

 

勿論、単語を覚えるにも中国語の特性を活かしたより高効率な方法があります。普通、単語の暗記と言えば・・・・

 

(石風呂自作の単語ノートより)

・・・この単語ノートのように、一段もしくは二段列の単語の集団がズラーーッと並んでいて、それを前のページからせっせとノートの端から端までびっしりと書いて暗記していく作業のことを思い浮かべることでしょう。

 

勿論ゼロから中国語をスタートする人にとっては、こうした「気合いだ!」「根性だ」!」というタイプの勉強法も必要であることは私も賛成します。

 

ですが、このような箇条書きの形では、『暗記するべき優先度がわかりにくい』『まとまりがない』ものを端から端まで見ていくことになり・・・

 

異なる性質の単語を整理もせずに無造作に脳内に放り込んでいる状態を誘発してしまうのです。

 

そこで、単語を覚える際には単語同士関連付けを意識しましょう。

 

中国語の動詞形容詞は、その大半が一字もしくは二字のものに分類できますが(稀に三字もある)、一字、二字に関わらず、同じ文字を含む動詞・形容詞はしばしば似たような意味・用法で使われる傾向が特に強いのです。

 

では一度、学 xué 学ぶ、勉強する study という動詞を例にとって、その関連単語がどれほど存在するのか、その一部を見ていきましょう。

 

表 学 xué 及びそれを用いた頻出関連単語一覧表

xué

学ぶ、勉強する study(動詞)

学习

xué xí

勉強する、勉強(名詞)

学校

xué xiào

学校(名詞)

文学

wén xué

文学(名詞)

开学

kāi xué

始業する、学校が始まる(動詞)

学期

xué qī

学期(名詞)

学历

xué lì

学歴(名詞)

学派

xué pài

学派(名詞)

博学

bó xué

博学な(形容詞)

学阀

xué fá

学会のボス、教育界の頭目(名詞)

学费

xué fèi

授業料、月謝(名詞)

学风

xué fēng

学風、学校・学界・学習上の気風(名詞)

学好

xué hǎo

よい人、よいことを手本にしてそれに見習う。

習得する、マスターする(動詞)

学坏

xué huài

悪いことを覚える、悪い人をまねる。

学業が続けられなくなる(動詞)

(スマホアプリ 小学館 中日・日中辞典(第3版) (monokakido.jp)を参照)

・・・上表ではこのように、学 xué という単語だけをとっても、代表的な二字の単語(二音節単語 におんせつたんご)のみでも13語を抜粋することができました。当たり前かもしれませんが、いずれも学 xué という単語をベースとして派生しています。全体的な傾向として、二字の動詞・形容詞は一字のそれ以上に決まりきった意味・用法で使われるため、実は文字数が多ければ多いほど意味が限定されて、却って覚えやすいのが中国語の特徴です。

 

これは日本語でも「あれ」「それ」といった簡単な代名詞は文脈・状況次第で指す対象が毎回変化するのに対し、「怪我の功名」「弘法にも筆の誤り」などのように長い単語や故事成語が限定的な意味でしか使われないのと同じ原理だと理解していただければわかりやすいと思います。

 

なので、基本単語を覚える時、またはテキストを読み進めて新出単語が出た時には、最初から関連単語までまとめて覚えてしまいましょう!!

 

ある程度同じ単語の暗記を繰り返した状態で、ただ綴りをひたすら書いている暗記方法を繰り返すとすぐに飽きてしまうでしょう。そんな場合は、単語に関連する簡単な絵、もしくは関連図・フローチャートを作成して覚えていきましょう。

 

(トニー・ブザン監修のマインドマップ公式アプリ iMindMap より作成)

 

上図は私が中国語の基本動詞をテーマに作成したフローチャートの一部です。上図のように整理ツールを使ってまとめることも可能ですが、ここまで手の込んだことをしなくても、手書きノートで簡単な図を作っていただければそれでもOKです。

 

要するに、単語を「読んで書く」勉強法「だけ」では工夫がないので、同じ作業の繰り返しと脳の慣れによる反応低下を避けるために、あらゆる方法を試してみましょうということです。特に、視覚・知覚・触覚をフル活用した方法は、脳がより強く覚えていくという仕組みに関してはしっかりと理解しましょう。

 

これは、脳科学で「書く」という動作に代表される『言語・分析(論理的)』を司る左脳と、「見る」という動作に代表される『イメージ・視覚・知覚(創造的)』を司る右脳の両方を働かせる全脳思考によって、脳が視覚・知覚・触覚のいずれかのみに頼るよりも相乗効果でより効率よく暗記ができるからです。

 

人間の脳はたった今覚えたばかりのことでさえ1時間もすれば半分は忘れてしまうように出来ています(短期記憶)。最初に単語をブツブツ読みながら綴りを書いて覚える段階では、その記憶を完璧に定着することはハッキリ言って至難の業です。

 

新しく暗記をする1回目は決して丸暗記しようと思わず、理解することに比重を置きましょう。そこから関連単語、文法などを図を使って体系化することで、ただ個々の単語をバラバラに覚えるよりも遥かに効率よく、そして大量に触れて且つ蓄積することができるのです。

 

『繰り返す』は全ての学習方法の基本ですが、は、語学学習のように体を動かさない座学メインの学習に関しては、1回目と2回目でやり方を変えることで異なるタイプの刺激を与え、脳と自分を飽きさせない工夫を凝らすことが大切です。

 

そうしてその日に2回、翌朝に同じ内容をもう1回・・・と繰り返し何度でも暗記することで、徐々に暗記漏れチェックと再暗記にかける時間が減少し、やがて確実に記憶が定着していくのです(長期記憶)。

 

オートマティック(automatic 無意識に体に染みつくまで習熟させる)

さて、ここまで紹介してきたのはゼロからイチにしていく暗記方法、あるいは0.5(曖昧な記憶)を1に定着させていく暗記方法でした。

では、最後にその段階さえもクリアして、早く実践的に使いたい、となった時には、どのようにして単語を自分の血肉にしていけばいいでしょうか?

それは、会話や読解、作文などで実際に覚えたはずの単語をどんどん生活の中で使っていくことです。とはいっても、いきなり長文読解やフリーの作文をやったところで、そうそうすぐには目に見える成果は確認しにくいもの。特に作文に関しては1人での自己完結型学習ではダメで、学習パートナーとの協力が必須となるため、暗記とは全く違う勉強法が必要になります。

 

シリーズ 神速中国語勉強法3 毎日少しずつ身に付く(≧▽≦) 500字からの高サイクル作文、日記勉強法 | ぶっちゃけ神速中国語講座ブログ (china.jpn.com)

 

では、1人で日常生活の中で覚えた単語を定着させるには、どのような方法で使っていけばいいのでしょうか?

 

例えば、

朝起きたらご飯を食べよう→吃饭 chī fàn

ご飯を食べたら本を読む→看书 kàn shū

 

・・・というように、日常生活に常に中国語を主体的に使っていきましょう。少しずつ中国語が馴染んできたら、頭の中で簡単な文章を中国語に言い換えたり、ブツブツと呟くことで脳内の中国語を特別な物→日常的な物へと優先順位を上げていきましょう。

 

今日はラーメンを食べる→今天吃拉面。 jīn tiān chī lā miàn.

パソコンを使う→我用电脑。 wǒ yòng diàn nǎo.

ああ疲れた。→我累了。wǒ lèi le.

 

このように、定着させた単語を活用する場を与えることで、早くから『中国語脳』が形成されていきます。そしてやがて意識せずともスラスラと口から必要な単語が出てくるようになります。この段階を、脳科学用語でオートマティック(automatic 無意識に反応できる)と言います。

 

すると脳が『中国語が必要だ!』と感知し、どんどん単語が早く覚えられるようになり、ひいては中国語そのもののレベルもどんどん上がっていくという相乗効果を得られるのです。

(暗記の鉄のサイクル!!)

まとめ

中国語学習を挫折するほとんどの人は、スタートの暗記の単調さ辛さに耐えきれずに挫折してしまいます。意味もわからないうちから、「マー、マー」と盲目的に発音を繰り返して、小学生と同じように一、二、三・・・と漢字を書いて・・・・・・ああしんどい!!

 

私は、こんな風に初学者の方々がそんな苦行のような非効率でつまらない勉強法しか知ることができなかったために中国語学習を諦めてしまうような現状を非常に寂しく思っています。

 

今回紹介したのは、中国語学習のスタートダッシュをまさに『神速』の如くよりスムーズに駆け抜けるための方法です。語学は基礎固めの最初の段階が一番辛抱が必要ですが、そこを乗り越えて自分にマッチした学習方法を習得していけば、どんどん語学学習の楽しさが見えてきます。

 

中国語を使ってグローバルなビジネスをしている自分・・・美人なチャイナガールと流暢に交流している自分・・・スキルを身につけて周囲から「デキる人だ」と一目置かれ評価されている自分・・・教養が深まっていく自分・・・・

そんな輝かしい未来へとたどり着く一歩として、皆さんもまさに『神速』の如く中国語学習のスタートダッシュを切っていきましょう!!

 

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4年間の中国留学経験をベースに編み出した『神速中国語勉強法』は、『ぶっちゃけ神速中国語講座』にその全てが詰まっています。これ1冊で、基礎・挨拶・旅行・出張・買い物・時事問題・恋愛・・・・・・全てがマスターできます!!

 

 

 

著者プロフィール

ぶっちゃけ神速中国語講座 著者

石風呂貴一(いしふろきいち):2013年にとある地方国立大学を卒業後に社会人(といってもスーパーの店員)を経験し、一念発起して中国に留学。教科書で学んだ中国語が役に立たなかった経験を活かし本教材「ぶっちゃけ神速中国語講座」を執筆。歴史は趣味であり、ライフワーク。2020年に中国の河南大学の修士課程(歴史学)を卒業。在学中から習得した中国語を活かして、翻訳業に従事。

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