ところで、先程「補語」について話が出たので、一番難しくて分量が多いと考えられる
方向補語について説明します。

本ブログの方針は難→易 です。

難しい事を先に理解すれば、後が楽、という昔から自分が身につけた学習方針に従って書いてみます。

その他の補語は、色々と難しい名称はついているようですが、先程説明したように、感覚的に分かり易いと思われるので、省略します。

方向補語とは何か。以下の図を見てみましょう。

出典:http://resources.allsetlearning.com/chinese/grammar/Direction_complement
方向補語。

何の事はない、up とか down とか into のことのようです。

何故、一般の中国語の参考書や先生は、難しく説明したがるのでしょうか?

理由は、簡単で、教える人が英語を知らない(本気で英語で喋って、議論したり考えたりした経験がない)からだと思います。ビジネスマンであれば、20年近く英語に触れている人もざらである割には、句動詞なってほぼお手上げです。

従って、日本人語学学習者(語学=日本では外国語と言えば英語を学習した経験しかなく、言語学的な理解も全くあやふやで、語学そのものに成功体験がない日本の大半の学習者)の弱点を分析してもいないし、知らないからでしょう。というか、人生の大半を費やした英語の知識と知恵を役立たせないとしたら、非効率極まりないのではと思います。(英語すら四苦八苦している日本の現状と、科学的で体系的な語学習得システムやツールがなく、語学教育をリード出来る権威ある教育機関も存在しない日本の現状からして、当然の成り行きかもしれませんが)

まずは、方向補語を分かり易く説明します。

その上で、何故苦手か、発想をどう変えればよいかを説明します。

(方向補語の最も手っ取り早い学習法は、方向補語の→←↓↑を頭に入れ、
自分が使うだろうと思われる簡単な例文を、自分がまずイイタイコトを
元にして、いくつか作ってみることかもしれません。)

下来 (xiàlái) The movement is down towards the speaker: “come down”
下去 (xiàqù) The movement is down away from the speaker: “go down”
上来 (shànglái) The movement is up towards the speaker: “come up”
上去 (shàngqù) The movement is up and away from the speaker: “go up”
出来 (chūlái) The movement is out and towards the speaker: “come out”
出去 (chūqù) The movement is out and away from the speaker: “go out”
进来 (jìnlái) The movement is in and towards the speaker: “come in”
进去 (jìnqù) The movement is in and away from the speaker: “go in”
出典:Chinese Grammar Wiki

ちなみに、日本人英語学習者の殆どが、句動詞(phrasal verb)やイディオムが苦手である、という話は結構有名ですね。私もかなり苦手です。
(句動詞とは、「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」の事)

この指摘を聞いた事がある人はたくさんいると思います。

ググるとその種の話がたくさん出てきますね。

http://www.place-inc.net/details/kodoshi/kudoshi.html

それと全く同じです。

それとそっくり、全く同じ構造があって、中国語学習の障害となっています。

実際、語尾変化の存在しない中国語は、日本語に置き換えるよりも、英語に一度置き換えた方が、自然に頭に入るような構造となっているからです。

私の経験上、中日辞典や日中辞典はどうも中国語が持つ感覚をうまく伝えきれていないような気がします。

方向補語を理解する解決策は、中国語を英語に直す事、より正確には中英辞典か英中辞典を使って例文を比較してみると解決します。

簡単な例文を、自分がまずイイタイコトをいくつか作ってみる事です。

【英語と日本語の違い=中国語と日本語の違いでもある】

まずは、中国語から離れて、英語で少しものを考えてみましょう。

take my daughter out to the park
直訳:引き連れる、自分の娘を、外に、公園へ
自然な日本語:娘を公園に連れて行く。

先程のリンクにもあるように、
cut down the tree
直訳: 切って落とす 木を
自然な日本語:木を切る

【文法以前の問題として日本語はいちいち言うな、分かるだろ!的な言語】

文法的な所より、着目して欲しいのは、日本語が言わなくても分かるでしょ??
という「悟ってくれよ。空気読めよ的な」言語だという点ですね。呟き形式で書き出してみましょう。

★日本語の発想1:「木を切る」だから、downとか、方向とか関係ねーだろ!

公園に連れて行くんだから、普通はoutとか要らん。外に決まっているだろ!

★日本語の発想2:「教室に入る」または「教室に入ってくる」特に(走ってくるとか)断りがない限り、歩いて入ってきてるんじゃないの?いちいち聞くなよ!え、「教室里来」はダメ?「走进教室里来」でないとダメなの?・・よく分からんよ。中国語って。。。

つまり、日本人の発想として、いちいち、歩いて→中の方に→入ってくる、といった表現方法はしないです。原則表現はシンプルです。

教室なんだから、中に入って来るに決まっているのだから、いちいち、中の方へ、とは普段は言わないですね。文学作品で何かを強調する表現をしている場合を除けば。

日本語が語尾変化する言語であって、語尾変化(格)自体が文脈理解に基づくもので、動詞と前置詞、副詞、といった区分を、普段我々が頭の中で意識していないからです。
(逆に中国人に日本語を書かせると結構なレベルの人でもこの「助詞」を間違いうのはその為です。)

英語や中国語で副詞や補語などの方向性に相当する表現は、日本語では語尾変化として既に含まれてしまっています。

【中国語や英語は「動作+空間移動」を表現する言語】

私は最近、中国語や英語は、空間的な動作を全て分解して「動詞+空間移動」の発想でひたすら考え続けると英語や中国語らしい表現になるのではと思っています。日本語にはない語尾変化、即ち、格変化を補うものが、このUP, Down, 中国語なら进,来etc…で、日本語から離れて頭の中に空間移動をイメージするのが両言語を理解するコツだと考えています。このあたり、いつか、もう少し深掘りをしていきたいと考えています。

【閑話休題:もっとも分かり易い方向補語】

ここで一番分かり易い事例を。ベッドの上で、男性が女性に対して、

「进去!」

といったら?これが生きた文脈。勿論、意味分かりますよね?こうやって生きた中国語を覚えましょう。

【文脈で覚える】

先程のリンクにある、方向補語の方向性を最小限理解した上で、文脈に応じて覚えられる所から使える文章を頭に入れておきましょう。

http://resources.allsetlearning.com/chinese/grammar/Direction_complement

我们 在 里面 开会, 大家都 进来吧。
Wǒmen zài lǐmiàn kāihuì, dàjiā dōu jìnlái ba.
We are going to have a meeting inside.Please come in here.

他 在 办公室里 等你,你 快进去 吧。
Tā zài bàngōngshì lǐ děng nǐ, nǐ kuài jìnqù ba.
He is waiting for you in his office.You can go in now.

※ちなみに、私はLongman Dictionary of Phrasal Verbsを持っていますが、未だにcome downやtake upといった基礎的な句動詞の全てを覚える事はできないです。

しかし、それで米国人とのコミュニケーションに不自由した事は全く無いです。

なぜなら、文脈に応じて使うべき句動詞やイディオムは決まってくるからで、会話のシチュエーション(状況や背景知識)が分かれば、自然と使うべき語彙は決まってくるし、相手が何を言っているかが分かるからです。英語や中国語にある独特のこの表現手法そのものが、何らかの空間移動を表す表現だから、覚えるというよりはイメージするようなものなのかもしれません。

自らを第二外国語習得の実験台としながら、レポーティングしていきたいと思います!

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