今回は勉強法から少し視点を変えて、語学学習をする際の注意点と読書テクニックについてお話ししましょう。

  • 中国語「だけ」を勉強してはいけない!

運営者は留学生時代から、中国の日本語専攻の友人から「私は/俺は日本語しか勉強していないから、ほかの分野について全く知らないんだよ(笑)」というフレーズを頻繁に聞きました。

 

確かに外国語を習得するのは簡単なことではありませんが、残念ながら『外国語を自由自在に話すことができる人材に限って言えば、実際は就職・転職市場にの数ほどいる』のです。そして上記のセリフを言う人間に限って、実際の語学力も非常に怪しく、いざ日本人と出会っても積極的に日本語で話しかけさえしないという負の連鎖。もちろん、そんな人が日本語教師になったとしても、その学生がどのレベルまで日本語を習得できるかなんて、もはやお察し(中国の日本語教育の現状については、また後の機会にお話しします!(^^)!)。

 

ただ外国語だけを勉強していては、時間と労力を無駄にしてしまう可能性が高いのです。

 

運営者が以前留学に悩んでいた時に、既に定年退職されたとある日本人男性から、次のようなお話を伺ったことがあります。

語学はあくまでも手段です。他にも何か別のスキルがないと、そう簡単には仕事は見つからないと思います。

 

まさに仰る通り。私も留学期間中から現在まで、様々な形で日本語や英語を熱心に学んでいる中国人の方々とお会いしてきましたが、語学専門の職業は競争倍率も高く、なおかつその割に待遇も期待しているほどよいものでもないという現実。そして、かなり多くの人はその現実を知るや否や、語学学習を諦めてしまうのです・・・。

 

外国語とは本来、自分とは違う世界に住んでいる人とスムーズに交流するために勉強するもの、もちろん仕事という現実的なファクターによって勉強を半ば強いられている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、仕事に生かそうと思うのなら、学校から与えられた教科書だけに熱中した結果、却って就職が困難になった・・・なんて目も当てられない結果になってしまったら、せっかく勉強に費やした時間と労力が勿体ないとは思いませんか?

 

ネットやテレビでは、毎日のように環境問題、社会問題、健康・医療、政治、文化・芸術、芸能・アニメ、IT、科学・・・といった様々な分野のニュースが溢れかえっています。

 

これらのニュースに関心を持っていただきたいですが、いきなり中国語で見ようとしてもハードルが高すぎてすぐに挫折してしまう可能性が高いでしょう。

 

それよりも、中国語をより自然な形で身に着けるには、まず母語で培った知識教養経験を基礎として中国語で発展させていくことが重要です。

 

中国語には・・・

 

兴趣是最好的老师 xìng qù shì zuì hǎo de lǎo shī 訳:興味は最高の先生

・・・という言葉があります。

 

具体的に言えば、自分にとって興味を感じる分野から中国語の単語を覚えて、ニュースネットの短めの記事を読んだりしながら人と話すことで、普通にテキストだけに頼った勉強をするよりも遥かに効率の良い勉強ができます。

 

その結果、「あれはどう言うの?」「これは何と話せばいいのかな?」と、知らない単語や上手に表現できなかったことがたくさん出てくることに気づくでしょう。

 

あなたが好きで学ぼうとした分野であれば、やればやるほどどんどん興味が湧いてくること間違いありません。

 

好きなことをきっかけにどんどん中国語に応用させてみましょう!!

 

  • マインドマップを使って知識を整理する

さて、いよいよ本題です。

 

最初から好きなもの明確な目的があって中国語学習にたどり着いた人は、当然相乗効果で語学も背景知識もより速いサイクルで習得することができることでしょう。しかし、そうでない場合は、まず何から手を付けたらよいのかもわからない状態だと思います。そこで、そんな自分でも夢中になれるテーマを探す方法の一つとして、神速中国語講座では基本の基本に立ち返って読書をすることをオススメします。

 

勿論、だからといって「ネットやテレビは情報の信憑性がアテにならないから見てはいけません(#^ω^)」なんて時代遅れなことは言いませんのでご安心を。

 

より正確に言うと、ネットやテレビ、SNS等で得たバラバラな状態の知識体系化する作業として、読書(先達がまとめた知識を通じて自分のものとする)が存在するのです。

 

神速中国語講座では、以前単語の暗記方法の際に、マインドマップを紹介しました。

 

繰り返しになりますが、マインドマップは元々暗記以外にも議事録や家計簿、ライフプランにまで応用が利く素晴らしいツールです。

 

勿論読書とも相性はよく、書籍内の内容をより少ないページ数で整理することが可能になります。

 

その結果、読書スピードも飛躍的に上昇するという嬉しいおまけもついてきます。

 

読書スピードが遅い・・・と悩まれている人は随分多いかと思いますが、黙読でも早く読め、且つすぐに内容が理解できてしまう書籍というのは、最初からある程度知識があった野か、思考せずとも読めてしまう程度の内容でしかない、というのが現実的なところ。読書スピードを上げるには、読む速度ではなく、理解に費やすタスクの効率化を目指していきましょう。

 

今回は、国分良成氏の『中国政治から見た日中関係』(岩波書店、2017年)という書籍の一部を利用して、ノート作成の実演をしていきたいと思います。

 

運営者は中国史専攻で今でも古籍・専門書を頻繁に読みますが、特に留学中から現代中国の仕組みについて全然理解していないことに気づき、体系的に教養を身に着けていかないとヤバイ!!と危機感を募らせたことから、こちらの書籍をチョイスしました。もちろん、皆さんはそれぞれ思い思いの分野から1冊選んでいただければそれで構いません!(^^)!

 

普通、読書をしてノートにまとめるといえば、以下のようなノートを作成するかと思います。

 

 

(それぞれ、上掲書第1部 中国の政治体制 -鄧小平・胡耀邦・趙紫陽時代 のP56-62の内容をノートに取ったもの)

(上記2ページの見開き図。日本では普通このような左→右の見開きノートを作るように小学校から教わるはずだが・・・)

特に、今回運営者が選択した歴史分野に関しては、時系列を押さえる必要があることから、どうしても箇条書きにしていった方が書く側が便利でラクという事情もあるでしょう。中学生の頃からこのタイプのノートを作ってきた運営者からしても、普通のノートの取り方がラクであるというのを否定はしません。

 

ですが、それではノートの本来の目的から乖離してしまうようにも思えます。つまり、ノートとは『自分が後になって見返す→学習内容を定着させる』ために作るもの。

 

なのにこの板書形式のノートの取り方では、ページ数が多いことから見返すのに多くの時間が費やされ、且つなまじ綺麗にまとまっていることから後で追記事項が出た際に隅っこに書いてしままって、まとまっていたノートのバランスが崩れる・・・なんて二次災害も発生します( *´艸`)

 

ちなみに、運営者が上掲書を板書形式でまとめたら、結果15ページとなりました。さすがに教科書のノートのように100ページを超えるなんてことはありませんでしたが、それでも4-5時間は平気で潰れてしまい、書き終わった頃には疲れてしまいます。

 

この『疲れた・・・』こそ『ちゃんと勉強しているのに/本を読んだのに、全然覚えられない・・・』=努力の割に伸び悩む勉強法の元凶です。そして、疲れた後はそんな苦労を思い出したくないがために、はたまたやりきったという満足感ゆえに二度とノートを見返すこともないでしょう。

 

綺麗に作っても見返せないようでは、ノートの名折れというものです。皆さんも受験勉強でそういった経験はございませんか??

 

ところが、マインドマップであれば使うページ数は各タームで1ページのみ。極めてしまえば1ページだけでその本の全ての内容を完璧にまとめてしまう、という強者も存在します。

 

 

そこで、運営者もその強者になるために、1時間で1冊の本をまとめるマインドマップ作成に挑戦してみました!!

 

戦う原始人のイラスト

次は上掲書P248-250の記述をベースに、運営者が上掲書1冊の内容をマインドマップにまとめてみました。

 

 

今回、ここまでまとめるのにもちろん詳細までいけば追加事項はあるかもしれませんが・・・まだまだ修練が必要ではありますが、このように1ページにまとめてしまえば、また何かの機会にこの本を読み返そう!と思ったときにいちいち「何ページだったっけ?」と最初から見返さなくても、サッと見返すことでおおよその内容が一気にフラッシュバックしてきます。

 

もちろん、ここまでまとめるにはある程度は真面目に本を読んでいるのが前提ですが、読んだ後にいちいちノートを取るのではなく、ノートを取る前にあらかじめ何をメモするかを決めておき、微調整前の段階では思い切って細かい事項を切り捨てる!

 

こうして代表例に絞ってブランチをつなげていけば、意外と早く形になったマインドマップが作れてしまいます。今回、運営者は全体の内容を政治・経済・日中外交・派閥の4タームに分けて記載することで、より体系的なマップ作りをしました。最後のまとめとしては、用紙上部に格言的なものを入れることで、インパクトも増しています。

 

読書時間と並進するため、結果として300ページ弱の本であれば、初見でも5-6時間あれば読了・ノート作成完了となるのです。

 

このペースであれば、休日に1日読書に使ったとすれば、300ページ弱の本であれば2-3冊は読了できるということになります。このテクニックをマスターすれば、大まかなことは忘れることはまずないでしょう。

 

以上がマインドマップ読書術ですが、忘れてはいけないのが、この読書は読書自体で完了するものではなく、あくまでも中国語学習の基礎作りであるということです。読書を終えたら日本語→中国語へと変換していく能力を養成していくことになります。よって、教養を広げることも、実践に活かすことも、全てが語学学習なのです。

 

  • まとめ

マインドマップを使うことで、読書効率が飛躍的にアップすること間違いなしです!

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