※ブログ運営者注:当該教材の内容にのみ興味がある方は公式サイトを直接ご確認頂ければ幸いです。

本ブログでは、中国語学習にあたり、何故英語同様に5文型理論がないのか、その試みとして現代中国語を5文型に分類することを試みて来ました。それだけでなく、漢文にも5文型のようなものがあるということを紹介して来ました。また、中国語構文に焦点を当てた参考書も紹介して来ました。

今回紹介する 「【網野式】動詞フォーカス中国語入門」は、長年の言語習得の経験から、日本語は動詞の地位が低く、あまり意識しなくても済む言語であるということを見抜き、逆に中国語は動詞さえ分かればマスターの近道になるという考えを基にして教材として開発したものです。本ブログが、当教材を推奨する理由は、多くの人がとかく忘れがちな、中国語の動詞の発見に重点を置いている教材だからです。これは、中国語を学習するにあたり、一生使える技術となります。(2018/5/25本ブログ運営者加筆:改めて本教材について学習効果が高い中国語教材おすすめランキング:中国語学習で迷ったらこれを買おう!初級・中級者篇と、学習効果の高い中国語教材を実際に試してみる:主語+動詞を押さえれば間違いなし。やはり「【網野式】動詞フォーカス中国語入門」は役に立つ!においても取上げておりますので、是非一度ご確認下さい!)

 

 

「網野式動詞フォーカス中国語入門」は、本ブログでこれまで取上げてきた「5文型=文の骨格」と着眼点は全く同一のものです。(日本語5文型理論が無い理由は、そもそも語順に厳密なルールが無く、語尾変化(格助詞)により文の意味が変わり、名詞+サ変動詞で動詞化出来る日本語にはあまり意味がないからでしょう。)それに対して、語尾変化の少ない英語や中国語のような言語には、何らかの骨格があって、パターンがあるということは勿論昔から知られていて、高校時代に漢文の公式として覚えさせられた記憶があるのではないでしょうか?自分の経験では、受験英語の長文読解に難渋した時、主語と動詞(主語と述語)がまずどこにあるかを探すようにしたら、急速に長文が怖くなくなってきたような気がします。(動詞は、意味を断定する作用、文の構造上の結節点を表す品詞だからです。)

 

【以下作者のサイトから引用(赤字と太字は本ブログにて改変)】

 

例えば次の文、「田中さんは足が速い。」この文はそのままの形では中国語や英語には訳せません。よ~く考えてみると・・・、そう。動詞がないんです!動詞の代わりに、 「速い」という形容詞を使って表しています。これを中国語に直すと、田中走路走得快

 

中国語の例文1

 

となり、「走(行く)」という動詞を使っています(しかも2個も!)もう一つ例をあげると、「山田さんは歌が上手い」という文も、「上手い」という形容詞で表しており、動詞は入っていません。中国語で言うと山田唱歌唱得好

 

中国語の例文2

 

となり、「唱」という動詞が入っていますね。さらに付け加えると、日本語の場合には中国から入ってきた漢字2字の名詞(例えば 「勉強」「学習」など)を、「勉強する」「学習する」のように活用して、名詞を動詞として使用してしまうことも非常に多いのです。このように日本語では、中国語で動詞で表現することを、形容詞や名詞で代用してしまうことがとても多いのです。日本人が中国語のみならず、なかなか英語を身につけられないのも実はこの「動詞を使いこなすクセがない」点に問題が あるのです。そして私は、文章を見るとまず「動詞」をマークすることにしました。これにより、私の中国語習得速度は飛躍的にアップすることになったのです。そして、その後10ヶ国語以上をわずか4年で習得したというのは、前述のとおりです。

 

多言語の習得

 

これは私が身をもって証明した事実です。動詞以外の文法事項は、あえて言わせてもらえばそれらは飾りに過ぎません。(中略)まずは幹である動詞を攻略してください。幹さえしっかりしていれば、暴風の中でも少々のことではビクつかず、その後は健康で丈夫な枝葉が育っていきます。

(引用以上)

 

【改めて本教材と網野智世子氏を称揚する】

 

しかし、流石、網野氏は長年に亘る司法試験の失敗のどん底から、一念発起して10カ国語のプロの翻訳者・通訳者にまでなった苦労人だけのことはあります。教材にも、そうした長年の労苦が滲み出ているのではないかと思います。私個人も、高校時代には英語の長文の読み方に於いては、要領を得ない指導(例えば、いきなり長文を与えられて「訳して来い!」といった乱暴な指導の仕方)を受けて来た記憶があり、それが生徒の学習進度をどれだけ遅らせることになるか、身を以て経験して来ました。逆に、中国語に関しては、極端に発音重視で、それはそれで重要かもしれませんが、いくら漢字とその並びが分かるから(簡単に読めるでしょ?)といって、構文や文型(動詞の把握も含む)を全くなおざりにした教育が横行している状況があって、(結局、発音も構文も中途半端な)彷徨える中国語初中級者となってしまっている人がたくさんいるのではないでしょうか?

実践からかけ離れた間違った語学の教え方を正してくれる可能性があるという意味で、網野智世子氏の成し遂げられた実績は大変大きく、もしかしたら、後生にも残るようなものになるかもしれません。特に中国語は、英語とは異なり、優れた教材が圧倒的に不足している現状があります。今後の普及と更なる洗練されたメゾットとして広がりを持つことを期待したい所です。(ちなみに、私は今でも一発で理解困難な難しい文章にぶつかった時、英語でも中国語でもまずは動詞を探して印を付けるようにしています。「【網野式】動詞フォーカス中国語入門」は、どの言語にも通用する、一生使える技術=考え方を教えてくれたのではないかと思っています。)

 

出典:網野式動詞フォーカス中国語入門のサイトから

 

勿論、語学を身に付けるのは大変なことで、これ一つで全て解決する訳ではありませんが、本教材を通じて「中国語の動詞の把握」という最も重要な基礎を学んだ後で、ネイティブの中国語教師との会話や、本格的なニュースのリスニングの準備に入るのも良いのではないでしょうか?(値段は14800円ですが、分割で買えば一回数千円程度で買えるので、語学学校に通うよりは遙かに得だと思える教材です。感想等の体験談を書くと2000円割引になります!バージョンアップ版が出た際も無償提供とのこと!)

 

 

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