前回の続きです。長崎玄弥(故人)の「読むだけで上達する奇跡の英会話」の内容をシリーズで取上げます。この本は既に絶版となってはいますが、英語の大家であった長崎玄弥氏のエッセンスが凝縮されており、未だに役に立つ本です。実際、何度も繰り返し読むことで、その後の仕事や、外国人と話をする場面で、本書に記載されていた表現や発想に助けられる場面に多く遭遇しました。最も重要な部分について、何回かに分けて掲載をさせて頂きたいと思います。

 

【英会話には大きく2つの壁が存在する】

 

英語に限らずどんな語学でもそうですが、一通り言いたいことが言えるようになると、会話がどんどん弾んできます。その分、相手からのツッコミや質問も高度になって来ます。英会話を途切れさすことなく続けるには、間合いを取ることが大切です。しかし、本格的に英語を話すようになると、大きく2つの壁にぶつかります。一つは日本的な曖昧な表現です。英語にあるストレートな表現だけでは、何となく自分が表現したいこととは違うし。。。と適切な英語表現がなかなか浮かび出てこず、一瞬頭が真っ白になった経験をした方は少なくないかもしれません。もう一つが、会話の間合いを取るためのつなぎ言葉です。上掲書の素晴らしさは、こうした痒い所に手が届く表現を集中的に載せている点です。

 

今回は、上掲書P158~から見ていきましょう。

 

(13)一般に、概して

 

As a rule, the hotels along this beach are busy in summer.(大体、この海岸のホテルは夏は忙しいのです。)

as a ruleに似た句としては、generally, in general, by and large, on the whole等があります。

 

(14)私の知る限りでは

 

To  the best of my knowledge, the death of ex-general Gotoh hasn’t been confirmed.(私の知る限りでは、後藤元陸軍大将の死は確認されていない。) as far as I knowの方がより口語的ですが、このto the best of my knowledgeも、情報を自分の知る範囲に限って伝達する時に役に立ちます。

 

(15)そうですね。まあこんな所じゃないでしょうか

 

Well, it’s like this in my view.(そうですね、私の見解ではまあこんな所じゃないですか。)「話の切り出しが難しい、突然完成した文が出て来ない。」とぼやいているあなた。何かしら前置が欲しいなら、Well, it’s like this…と切り出せますよ。

 

(16)考え込んでいる最中に、突然考えがひらめいた時;いい考えがある

 

I’ ve got it(or an idea)(いい考えがある)

指をバチンと鳴らして、I’ve got it.と言います。また、come up with an idea, stumble on an idea, hit on an ideaとも言うことが出来ます。

 

(17)提案をしたい時:じゃ、こうしよう

 

I’ll tell you what. We can go as far as Ueno by subway, and…(じゃ、こうしよう。上野まで地下鉄で行ってね、それから。。。)

Tell you what, と普通I’llを省略するこの表現は、「じゃあ、こうしましょう。」「じゃあ、こうしない?」とアイディアを提供する時の決まり文句。whatがあっても疑問文ではありません。

 

(18)相変わらず

 

“How are you doing?””Busy as ever“.(「(仕事など)の調子はどう?」「相変わらず忙しいですわ。」)

この世の中、「相変わらず」ということは多く、大都会のラッシュ時は、as crowded as ever, 山の中の湖のほとりは、as quiet as everです。

 

(19)・・・は別として、・・・はさておき

 

Asaide from the budget problem, have you got enough time for the trip?(予算はさておいて、旅行する時間は充分にあるのですか?)

話の内容を整理したい時に、このaside fromは役に立ちます。

 

(20)私の言いたいこと分かる?

 

So I thought I’d wait till the rain stopped. Nobody likes to get wet, if you know what I mean.(それで、雨の止むのを待つつもりだったんだ。濡れちゃたまらないからね。)

if you know what I meanを連発する人は実に多いですが、これは相手が話についてきてくれているかどうかを確かめたい時に使います。日本語に訳すと、「・・・だろう?」「・・・でしょう?」と相手の同意を求める、ちょっとした言葉の付け足しという所。

 

(21)・・・は、これくらいにして

 

So much for Kyoto, now I’ll talk about Nara.(京都の話はこれくらいにして、奈良に移ります。)

こんな具合に使えるso much forはとても便利。話題を変えたい時などに使ってみましょう。

 

(22)そのことなら

 

My big sister often caught colds and stayed away from school. I wasn’t very healthy, either, for that matter.(姉はよく風邪で学校を休んだ。私もそれ程健康ではなかったが。)

for that matterは日本語に成りにくく、訳さなくてもいい場合が多いのですが、無理して訳すなら「そのことなら」「そのことに関しては」になります。

 

 

 

 

 

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