今回は、以前紹介させて頂いた記事(学習効果高!『誤用から学ぶ中国語』の使い方:これを学べば中国語上級者!中国語脳をロジカルに構築しステップアップするのに最適な文法参考書!)について、より皆様が分かりやすい形で補足説明となるように『ぶっちゃけ神速中国語講座』の著者、石風呂貴一さんから、追加での寄稿を頂きましたのでご紹介をしたいと思います。(今回の内容は中国語の勉強が一通り終わった、中級者以上の方を対象とした情報となります。)

 

いざ中国語の学習が進んで来ると、どうしても今までの参考書や経験だけでは解決できない課題に直面している人も多いのではないでしょうか?語学という性質上、どうしても実践経験が必要であり、折角参考書を手にしても、おい!その参考書自体がよく分からんな。。。選択が違っていたのかな?!という状況に陥ることも。。やはり石風呂さんのように、実際に留学経験を持ち、現地で実践しながら鍛えた方の意見は貴重ではないかと思っております。では以下をまずご一読下さい!

 

念の為、誤用から学ぶ中国語って何?という人の為に、前回の記事で説明があった当該参考書の概略を先に転載したいと思います。

『誤用から学ぶ中国語』シリーズの概要・特徴:HSK5級OR中検2級レベルの方必須!

 

まずは、『誤用から学ぶ中国語』の概要について簡単にまとめてみました。

『誤用から学ぶ中国語』
出版社:白帝社
著者:郭春貴(かく はるき)
第一弾:基礎から応用まで 発売日:2001年11月5日初版
第二弾:続編1 補語と副詞を中心に 発売日:2014年6月24日初版
第三弾:続編2 助動詞、介詞、数量詞を中心に 発売日:2017年2月15日初版

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『誤用から学ぶ中国語』は、2001年当時に広島修道大学経済学部にて教鞭を執っていた郭春貴(かく はるき)氏によって、第一弾となる『基礎から応用まで』が執筆され、白帝社より出版されました。

 

その後、様々な反響を得たのちに、2014年6月に待望の第二弾『続編1 補語と副詞を中心に』、そして2017年2月に第三弾『続編2 助動詞、介詞、数量詞を中心に』が発売されました。

 

当該シリーズは、タイトルの通り日本人が中国語を学習する上でありがちな『誤用』のタイプを、比較・分析解説理解!!のサイクルで改善していくことを目的としています。

 

例えば、第一弾では『能願動詞の“会”“能”“可以”の違い』『“这本书好”はなぜよくないか』、第二弾では“只一个人”はいけないか ——“只”“只有”“只是”・・・といったテーマが設定されています。郭氏の言葉をそのまま引用すると・・・

 

『「習慣」の一言で解決してしまうのはあまりに短絡的』

 

・・・と言うべき中国語文法の疑問の数々について、努めて論理的に解説を加えていくスタイルが採られています。

 

「何となく感覚ではわかっていても、それを筋道立てて説明するとなると・・・」

 

という痒い所に手が届くのが当該シリーズの最大の持ち味です。

 

当該シリーズは中国語文法を一通り学習し、基礎を終えた後になって初めて理解できる内容となっているため、最低でもHSK5級或いは中検2級レベルに到達している人が手にすべき参考書であると言えるでしょう。

以上

以下、今回石風呂さんからご寄稿頂いた補足説明。

 

中級者以上の学習者がよりロジカルに中国語文法を理解するにはこの上ない良書

皆さん、こんにちは!『ぶっちゃけ神速中国語講座』の著者、石風呂貴一(いしふろきいち)と申します。

今回は、中国語学習者が一度は耳にしたことがあるはずの参考書、『誤用から学ぶ中国語』シリーズの使い方についてシェアしたいと思います!

『誤用から学ぶ中国語』シリーズは日本国内では知名度が高く、中国語学習者であれば一度は耳にしたことがある有名なシリーズのはずです。であれば、どんな使い方をするんだろう?と気になりませんか?

 

結論から申し上げますと、『誤用から学ぶ中国語』は以下のような方にオススメの参考書です!!

 

HSK5級或いは中検2級以上の検定受験を目指す人

 文法の基礎を終えて、さらに上のレベルで中国語をマスターしたい人

 「何となく違うのはわかるけど・・」という知識を言語化できるようになりたい人

 

以上のことから、本シリーズは初心者がゼロから始めるための参考書、というよりは中級者以上の学習者に向いている参考書と言えますね。でも本シリーズをマスターしてしまうと、HSKや中検の文法問題はラクラク突発できるようになること間違いナシです!

では、具体的にはどのように活用していけば良いのでしょうか?今回は3つのポイントに分けて解説していきます!!

 

目次

1. 類似例を比較する!

2. ニュアンスの違いを整理する!

3. 痒い所に手が届く!

1. 類似例を比較する!

 

『誤用から学ぶ中国語』は、タイトルの通り日本人が中国語を学習する上でありがちな『誤用』のタイプを、比較・分析→解説→理解!!のサイクルで定着させていく使い方をする参考書です。

本シリーズは知りたいテーマがあった時に目次から検索し、該当部分を見つけたらそこを読み込んでいく、という辞書のような使い方をしていきます。

中国語を一通り学習すると、きっと「“才”と“就”って似たような使い方するけど、実際はどんな違いがあるんだろう?」というような細かい分野での疑問が湧いてくると思います。

こんな時、類似した文法・語法の比較は辞書で1つずつ調べると解説が不足していたり、ゼロからメモをとるのが面倒じゃありませんか?

そんな時に、この『誤用から学ぶ中国語』を使うと、「ああ、それ知りたかったんだよなあ!!」という類似した文法・語法の比較を一目で行うことができます!

 

例えば、次の目次をご覧ください。
↓↓↓↓

(出典:『誤用から学ぶ中国語』目次)

 

こちらを見ると、先ほど述べた“才”と“就”の比較に関する項目を3つ見つけることができますね?

 

例えば読者の皆さんが「“才”と“就”って似たような使い方するけど、実際はどんな違いがあるんだろう?」と思ったら・・・

 

58「範囲副詞“才”“只”“就”の同異」、59「関連副詞“才”と“就”の違い」、60「語気副詞“才”と“就”の違い」を開いてみましょう。ここでは58「範囲副詞“才”“只”“就”の同異」を例にとってみます。

 


(出典:『誤用から学ぶ中国語』P188-189)

上記ページでは、“才”“只”“就”の違いについて、

 “才”・・・数量の少ないことしか表せない。名詞は修飾できない。“就” “只”に置き換えできない。

 “只”・・・多くは“就”に置き換え可能。但し単独では名詞と数量詞を修飾できないため、“只有”とする。

 “就”・・・多くは“只”に置き換え可能。

・・・と、例文をつけながら上記のことについて解説しています。

 

よし、それはわかった!でも“才”と“就”についてはまだいくつか用法と違いがあるでしょ?となったら、続けて後ろの単元を読み進めていくと、“才”と“就”の違いについてより深く知ることもできるのです。

 

このように、いくつかの類似した用例を読み込んでいくことで、中国語の「似ているようで違う」文法・語法の違いをスムーズに理解することができるのです。

 

2. ニュアンスの違いを整理する!

 

本シリーズは、中国語でよく使われる簡単な表現についても、ニュアンスの違いを上手く説明できないときに整理するサポートツールとして使うことができます。

 

表現のニュアンスの違いを理解することは、そのままHSK5級や中検2級以上の文法問題を解く時間を短くすることにもつながるのです。

 

突然ですが、今皆さんは「“在”と“有”の違いは?」と聞かれて5秒以内に正確に答えることができますか?

 

きっと、半数くらいの方は「えっと、何となく違いはわかるんだけど・・・・」と、知ってはいても頭の中にある知識を上手く言語化して表現できないかと思います。

 

上記の“在”と“有”は、どちらも日本語では「~にある/いる」と訳すことができることもあって、単に日本語訳だけを追って考えてもその違いがハッキリと見えてこないので、言語化を難しくしている場合があるのです。

 

そこで、本シリーズの該当項目の記述を参考に考えてみましょう。


(出典:『誤用から学ぶ中国語』続編1 P286-287)

 

本シリーズはこうしたあやふやになりがちな文法知識を・・・

 

① 特定の人と物の存在は“在”を使う。

② 不特定の人や物の存在は“有”を使う。

③ 場所を尋ねる時、答える時は“在”を使う。

④ “在”と“有”どちらを使うか【ケーススタディ】

 

・・・と例文を交えながら体系的に解説しています。こんな風にあらかじめいくつかの案が用意されていると、自分で考える上でサポートとすることもできますね?

 

このように、本シリーズは知識整理のサポートツールとして用いることで、「何となく」理解していたものをより自分の中で体系化することができるのです。

 

3. 痒い所に手が届く!

本シリーズは文法比較以外にも、「まだ帰っていないのに、なぜ“我走了”というの?」「“我们进去教室吧”は間違いですか」というような、中国語独特の言い回しに関わる素朴な疑問についてもカバーしています。

 

例として、上記2項目について見てみましょう。

 

“我们进去教室吧”は間違いですか」の項目では、下図のように・・

 

(出典:『誤用から学ぶ中国語』続編1 P16-17)

 

“「時々、中国人も“我们进去教室吧”“他们进来教室了”」と言いますが、それは南方の方言の影響だと思います。”

・・・というように、普通の教科書や文法書ではあまり触れられることのない方言の影響についても触れています。

 

もう一例、“我走了”の“了”が必ずしも過去形を表すものではなく、未来についても表現できるのだという「よくある誤解」や「間違えやすい部分」についても、端的に解説を加えることで学習者の理解を助ける作りとなっています。

 

(出典:『誤用から学ぶ中国語』続編2 P126-127)

 

上記以外にも、「“他认真学习”と“他学习得很认真”はどう違うの?」「“这些”“那些”“哪些”を思い切って使ってください」のように、思わず「そうそう、それが知りたかったんだよ!!」というような項目が盛りだくさん!

 

普通の文法書じゃ満足いかない、という人も満足すること間違いナシの情報量となっています!

 

まとめ

『誤用から学ぶ中国語』を使いこなすには、一通り中国語を学習しておく必要があるため、確かに難度が高い部分もあります。

ですが、この「痒い所に手が届く」本シリーズの内容さえマスターしてしまえば、あなたはもうHSKや中検の難問もすんなりと正解できてしまうでしょう!そして、実践で中国語を使う時にも大いに活かすことができてしまいます!

もう教科書は飽きた、もっと中国語を深く学んでムラをなくしていきたい、という中級者以上の方には、この上ない良書です!皆さんも、普通の文法書に飽きてしまったら、是非とも『誤用から学ぶ中国語』でもう一歩上のレベルを目指してみましょう!!

 

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ご紹介した内容は、中国語中級者から上級者にステップアップしたい方向けの記事となります。本ブログでは中国語を初めて勉強する人の為の初級者向けの文法参考書についても既に紹介しております。以下の記事が難しそうだと感じる方は、別記事学習効果が高い中国語教材おすすめランキング:文法教材篇 中国語文法の教科書は音声CDが充実したこの教材で決まり!をまずはご確認下さい

 

尚、本ブログでは石風呂さんが執筆された『ぶっちゃけ神速中国語講座』は本ブログでも初心者の方から中上級者の方まで学べる教材として推奨しております。著者が4年間の中国留学経験をベースに編み出した『神速中国語勉強法』は、により中国語の基礎・挨拶・旅行・出張・買い物・時事問題・恋愛・・・・・・全てがマスターできる内容となっております!説明だけでもご覧頂くことをお奨めします。

 

 

 

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