上海からグローバル企業就職や独立への道、実力主義でブランクへの不安を吹き飛ばせ!
このシリーズ「私の中国留学体験記」では、中国留学によってステップアップ、または新しいステージに立っていく人達の経験をシェアして頂き、皆様のモチベーションアップ、情報共有、そして新たなライフステージへの進軍!!のサポートをしていきたいと思います!!
今回は、上海の留学生、H.Rさんの体験談です!!(*^^*)今回のキーワードは・・・
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H.Rさん
1998年生まれ、27歳。東京都出身。
今までに短期を含め5か国に留学経験あり。

1) カナダ=高校の夏季短期留学
2) イギリス=高校交換留学
3) アメリカ=カリフォルニア学部留学。4年制大学や修士課程の学費は高い。
4) フランス=サマースクールで短期大学から奨学金を貰って1-2か月
5) 中国上海=デザイン学院のマスタープログラム(英語)で2年半
こんにちは。
現在(2025年)私は上海に住みながらWeb・プロダクトデザイナーをしています。
2022年9月に上海交通大学の修士課程プログラムに国際工業デザインエンジニアリング(IIDE)専攻で入学し、今年(2025年)3月に卒業しました。
私の今までの経歴や経験をシェアしながら、上海で費用を抑えながらキャリアのためのスキルも身につけられる留学について紹介していきます。
中国に興味を持ったきっかけ(家庭環境、学生時代、専攻、交友関係など)
私は東京都で生まれ、高校卒業まで日本で育ちました。
もちろん両親は純日本人で、中国に関係のある親族はいません。私は英語を身につけたかったのと、いろんな国に住んでみたいという夢もあり、高校卒業後の進路としてアメリカの短期大学への進学を選びました。
日本の大学も多く見に行き考えていたのですが、専攻が少なく、入学したら殆ど勉強しなくても卒業できてしまうシステムが自分の求めている環境とは違うと感じました。
アメリカの大学は専攻を選ぶまでに時間があることと、専攻数が多く、私が興味のあったデザイン分野もほとんどの大学が幅広いジャンルで用意があったので魅力的に感じました。
※ただし現在(2025年11月時点)のドル円レートを考えると、当時(2016年時点)も同じレートだったとしたら留学を諦めていたと思います。
渡航してからしばらくの間はホームステイを選択していて、その時に中国系アメリカ人のお宅に滞在していました。
そこで春節の中国家庭での雰囲気や、大学でも中国人の友達が多くでき、少しずつ中国の文化にも興味を持ちました。
アメリカでグラフィックデザインの勉強をしながら、中華系のホストファミリーや友達と過ごし、短期大学から4年制大学に編入し卒業しました。
コロナウイルスの影響で卒業前は日本に帰国して就活をしながら進路について悩んでいました。アメリカの学部での勉強はデザインの基礎の部分が多く、私の中でより専門的で時代に沿ったデザインスキルを深めたいという思いがあり、いろんな国の修士課程を調べ始めたのが中国留学を決めるきっかけです。コロナ禍での就活で不安もあり、修士に進んでから専門的なキャリアへ進みたいと考えました。
留学をしたきっかけ、中国を選んだきっかけ
当時コロナ禍での就活が難航していて、オンライン面接で会社の雰囲気をつかめなかったり、デザイン選考が延期になったりと思う通りに進んでいない状態でした。私の大学では修士課程に進む同級生も多かったため、私も自然と修士進学を視野に入れ始めました。
英語でのプログラムを希望していたため、国で絞らずに奨学金制度と専攻内容で調べていたところ、中国は学費が欧米諸国と比べてかなり安く、国際的なプログラムや返済不要の政府奨学金が充実しているところが魅力的で、途中からは中国内に絞って進学先を探していました。
特にデザインや建築学、エンジニアリングなどの理系分野は最先端で専攻の幅も広く、私が専攻した国際工業デザインエンジニアリングは、3Dデザインやゲームデザイン、アプリ開発や工業デザインなど多くの選択の中から自分に合うスケジュールを組んで勉強できるプログラムで、私が学んできたデザインの基礎のスキルを使いながらより専門的なプロフェッショナルとして深めていける内容で選びました。
留学先の特徴、キャンパス、専攻課程、卒業後の進路、交換留学、奨学金制度
私はデザイン専攻のある上海の大学院3つに出願し、上海交通大学の国際修士プログラム、国際工業デザインエンジニアリング(IIDE)に進学を決めました。
まずは上海交通大学について少し説明しますね。
上海交通大学は1896年に設立され、中国で最も古い大学の一つです。そして1930年代から「東洋のマサチューセッツ工科大学(MIT)」と言われるほど高い評価を得ている大学です。

(上海交通大学 校門)
上海交通大学は上海のさまざまな地区に 6 つのキャンパスを構えていて、閔行(ミンハン)キャンパスはメインキャンパスで、とても広いです。ほとんどの学校と施設はこのキャンパス内にあります。

(閔行キャンパスは2番)
現在、上海交通大学の学生数は46,000人、専任教員数は3,800人います。留学生の総数は約2,000人で、そのうちの6割が大学院生で、毎年世界各国から入学しています。
2024年度の研究助成金は48億人民元で、上海交通大学は14年間NSFC(国家自然科学基金委員会)の助成プロジェクトの総数で第1 位を維持しています。
中国でトップ4に入る大学で、世界ランキングは過去10年間で急速に上昇し、QS 世界大学ランキングによると、上海交通大学はアジアで13位、世界では47位にランクしています。
そして上海交通大学には103の大学院プログラムがあり、その95%が英語で教えられています。入学時に英語か中国語のプログラムか選択できますが、ほとんどの学部で英語のプログラムがあるのは私にとってとても魅力的でした。
その中でも私が入学したデザイン学院は国際プログラムに力を入れていて、現在進行形で成長中の学院です。
IIDEは2021年に新設された学部で、2年前に閔行キャンパスに建築専攻の生徒が企業と手がけたオシャレなデザイン学院の建物が完成しました。カフェや研究室、クラスルームや学院のオフィスなど揃っています。撮影部屋やプロトタイプ作りのための印刷室、3Dプリンターなども完備されていて、授業での成果を披露する展示室もあります。




私の専攻で特にオススメしたいポイントはデザイン専攻は企業との共同プロジェクトが強いことと、在学中に第3カ国に同じ学費で交換留学の機会もある部分です。
私が今まで取った授業の7割強が企業との共同プロジェクトを経験するもので、実際に企業からメンターが来て、実際に仕事で経験を積んでいるような貴重な時間を過ごしました。
例えば中国版YouTubeのBiliBili動画との共同プロジェクトでは、企業が著作権使用許可を取っているIPキャラクターの使用権をもらい、ワンピースのチョッパーを中国市場に合わせてプロダクトのデザインと提案をしました。実際に企業プロジェクトの一環としてマーケットリサーチをしたり、大規模なアンケートを実施するなど、企業の協力の元行いました。

⇩以下、授業風景です⇩




また、他の授業では医学部との共同プロジェクトで薬品管理のシステムを現代にマッチした製品にデザインしたり、カメラのLUMIX(Panasonic製)と協賛でカメラを借りてAIをテーマにシナリオを作り、企業メンターのサポートの元でCMとして使う広告映像を撮影から編集まで手がけました。


(薬品管理システム3Dデザイン)

(製品プロトタイプ)

(LUMIX成果発表会ポスター)
完成した映像は学外のコンテストで発表し、入賞しました。

中国のゲーム会社NetEase(網易)との合同授業では自閉症や外に出て遊ぶことが減ってしまった現代の子供に改善を提案する運動アプリのデザイン設計と開発を経験しました。

ほかには、Appleとの合同授業ではApple Vision Proのアプリ開発にも携わりました。

現代芸術のクラスでは、ゲスト講師に日本人彫刻アーティストの郡田政之さんを迎え、彼の監修する上海の美術館で作品の展示を開きました。

(郡田政之さん)
授業を通してアーティストとして上海で活躍されている郡田政之さんからお話を聞けたことはいい経験になりました。このように幅広い授業の中から自分で自由にスケジュールを組み、企業の協力の元で面白い経験からスキルを磨くことができます。実践的な経験になるので、就活の時にアピールすることができますし、ポートフォリオにも完成度の高い作品を提示できます。
交通大学デザイン学院 IIDEコース2022年度 月湖美術館 共同授業『ART FORMS』作品オンライン展
現在の上海交通大学のデザイン学院は3割留学生、7割中国人の現状で、学院はもっと留学生を増やしたいと考えているので、独学などでデザインスキルに自信がない人でも、学ぶ意欲があれば選考は通りやすいです。入学してからも1人1人専属の教授と校外メンターが付き、サポートやアドバイスを受けられるのでスキルに自信がなくても大丈夫です。
そして大学の多くの留学生と交流して感じたのは、本校の留学生は1度社会人を経験してから入る人が多く、私の学部のイギリス人は30代で、後輩のアメリカ人やタイ人留学生も社会人を数年経験してからキャリア変更のために入学しています。自動車のデザインに特化したクラスや建築、ゲームデザイン、アプリ開発も有名なので、これらの路線で仕事をしていきたい人に特にオススメです。


(キャンパスの風景)

(校内のバスケ大会)
デザイン学院の男女比は1:1で、上海交通大学は世界中の150以上の大学や機関と連携しているので、憧れの第三の国に交換留学もできます。私は留学前半がまだコロナ政策中の留学だったので、交換留学ができませんでしたが、学部の後輩はフィンランドやイタリア、フランスに1学期間行っていました。
これほど様々な経験ができる大学に興味を持たれた方、そろそろどうすれば入学できるのか気になり始めたことでしょう。
では、ここからは私が経験した出願の流れについて少し説明します。
奨学金の出願には2つ方法があり、1つは直接大学のシステムで出願するときに奨学金も併合して出願する方法です。これは私が出願した方法で、大学の出願サイトから特定のプログラムに応募し、オンライン申請フォームに記入する際に「上海交通大学を通じて奨学金を申請する」という欄を選択するだけです。
この方法では奨学金申請はプログラムの申請と統合されて審査されます。
もう1つの方法はJASSOなどの機関から中国政府奨学金の出願をする方法です。study@SJTUのウェブサイトから上海交通大学のプログラム情報を確認することができます。
私は出願後にメールで面接の案内がきて、職員のWechatを追加して渡航までやり取りをしました。面接では自己PRのプレゼンと今までのデザイン成果物を紹介して質問に答えていく形式でした。
授業以外のイベント参加、自身のアクション
上海交通大学には文化交流イベントが年に1回あり、日本のブースを友人と出展しました。他の国のブースも留学生が出していて、学内で他の学部の友達ができるいい機会になりました。
そのほかでは上海日本人留学生団体が開催している就活イベントに参加したり、企業座談会や日中勉強会、米山倶楽部が開催している定例会に参加したりして上海にいる日本人とも交流を広げました。その中で知った企業からインターンの誘いをもらったり、友人ができたりと、日本人向けの交流会は比較的多い印象です。
また、中国人のクラスメイトから話を聞き、『原神』のmiHoYoやNetEaseなど大手ゲーム会社と、ファーウェイの自動車事業部の就職イベントにも参加しました。中国人と外国人でイベントは分けられていて、英語での説明や部署の説明があり、自分の専門性とやりたい分野について考える機会になりました。

(ファーウェイ自動車事業部展示会 デザインプロトタイプ)

(デザイン成果発表会)


(miHoYo就職イベント)
今までの中国での経験で私は歴史問題を聞かれたことはなく、上海のような国際的な大都市だと、歴史問題や日本人という国籍で嫌な思いをすることはないと思います。
上海を選んで良かったこと
上海は国際的な都市で、どんどん発展している環境で生活ができます。
デザインのプログラムがある大学が多く、英語での授業が選択できるのも魅力です。
私のように英語圏での留学を検討していたものの、高い学費や専攻の面で悩んでいる人にとてもオススメできる候補だと思います。また、今の仕事に満足しておらず、キャリアアップやキャリア変更のための経験やスキルを身につけたい人にもオススメです。デザインやプログラミングを実践的に勉強できる環境があります。
普段の暮らしも便利で、交通費やタクシーは数十円〜数百円とまだまだ物価も安く、デリバリーやQR決算など携帯1つあれば生活でき、慣れたら非常に便利です。

将来の目標ややりたいこと
私は中国・日本の両方で就活をして、最終的に日本の企業で私の理想的な働き方ができる企業と出会いました。
中国での採用の場合は卒業間近になって就活するのが一般的で、日本での就活とはスケジュールが違う分、両国で就活をしてから決めることは可能です。実際に上海交通大学に有名企業が来てマッチングを行うイベントがあったり、(ファーウェイ、ネットイース、テンセントetc…)エンジニアやデザイン事業部は外国人募集も多いため、中国の国営トップ企業の国際部や上場企業で英語を使って働ける機会は多いです。



(BiliBili社内授業の様子)
中国企業の場合はお給料を自分で交渉できたり、もともとの給料がかなり高かったりと、学歴やスキルを評価してもらえます。ファーウェイ、ネットイース等、日本人募集をしている企業は山ほどあり、上海にある日本の企業や外資にも入るチャンスがあります。
私は日本での就活は主にデザイン職で探し、大中小いずれも応募しました。入社後の研修を受ければ自由に在宅やリモートでできる仕事は日本の方が圧倒的に多く、エンジニアやデザイナーは業務委託の選択肢も多いです。
中国だと逆に在宅ワークが多くない印象です。中国で最先端の環境の中で自動車やゲームに関わる仕事がしたい人には、中国の就活をすごくオススメできます。
日本国内だけで戦うよりも「留学」というチャンスを利用して自身を変えて、プラスで戦力になるスキルも身に付けていたらかなり選択肢が広がり、理想の働き方を自ら選んでいけます。私の留学生の友達はシンガポールや香港の外資系でゲームデザインや建築デザインの選考に参加していました。
デザイナー職で働く場合、将来的にはディレクターや監督業に昇級したり、独立して自身のデザインスタジオを持つ道などあります。
最後にアドバイス
私は特殊な学歴なこともあり、上海の大学院に進学後も就活の時にどう捉えられるか不安がありましたが、実際に就活をしてみたら上海で得た高いデザインスキルと実践的な経験、それに加えて語学ができることや国際的な背景を高く評価してもらえたことがほとんどでした。
日本は年齢など足並みを揃える側面があり、正規留学で海外の学位を持っているケースは特殊だと思いますが、私のように一般的な新卒の年齢でなく海外の大学院の卒業でも、面接でそこを深く聞かれたりネガティブに捉えられることはなく、私の経験やデザインの面を興味を持って聞いていただけました。
自分の中で今の現状にモヤモヤがある、海外を視野に入れて何かに挑戦したい、そんな気持ちのある方には是非日本から飛び出してみる勇気を持って欲しいです!
中国留学は返済不要の政府奨学金で学費はもちろん、寮費や月の生活費の支給も含まれています。
金銭面の負担は低く、国際的な環境で特定のスキルを磨きたい人、資格取得や経験を積みたい人に上海はピッタリの場所です!特に中国では日本人という身分は強く、文化的理解がある人=個性がある人はこれから更に重視されることでしょう。
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