外国語(ここでは英語)を喋る時に、一番必要となる表現がつなぎ言葉(Well, let me think it over.;少し考えさせてetc..)です。何故なら、どんな語学の達人であっても言葉を途切れさせることなく喋り続けることは不可能ですし、そんな風に一方的に喋り続けていたら、相手との会話が成立しません。もう20年近く前の事になりますが、私が米国に行く時に読んだのが長崎玄弥(故人)の「読むだけで上達する奇跡の英会話」です。この本は既に絶版となってはいますが、英語の大家であった長崎玄弥氏の経験とエッセンスが凝縮されており、未だに役に立つ本です。実際、何度も繰り返し読むことで、その後の仕事や、外国人と話をする場面で、本書に記載されていた表現や発想に助けられる場面に多く遭遇しました。最も重要な部分について、何回かに分けて掲載をさせて頂きたいと思います。※本ブログの主題は英語の学習法とノウハウを他言語の学習に活用する事です。今後この手法を応用して、中国語についても同様の内容を記載していく予定です。

 

【英会話には大きく2つの壁が存在する】

 

英語に限らずどんな語学でもそうですが、一通り言いたいことが言えるようになると、会話がどんどん弾んできます。その分、相手からのツッコミや質問も高度になって来ます。英会話を途切れさすことなく続けるには、間合いを取ることが大切です。しかし、本格的に英語を話すようになると、大きく2つの壁にぶつかります。一つは日本的な曖昧な表現です。英語にあるストレートな表現だけでは、何となく自分が表現したいこととは違うし。。。と適切な英語表現がなかなか浮かび出てこず、一瞬頭が真っ白になった経験をした方は少なくないかもしれません。もう一つが、会話の間合いを取るためのつなぎ言葉です。上掲書の素晴らしさは、こうした痒い所に手が届く表現を集中的に載せている点です。

 

1日本的な表現で英訳し難いもの 

例:「立ち話も何ですから」「こう言っては何ですが」etc…

 

2つなぎ言葉

例:「あのねぇ。」「ついでに申上げますが」etc…

 

今回は、2の表現(上掲書P154~)について見ていきましょう。

 

(1)あれをご覧

 

Take a look at that white building.(あの白い建物を見てご覧。)

at以下は、何でも構いません。the red arch (赤い鳥居) the big roof (大きな屋根) the snow-capped mountain (雪をかぶった山)等を入れることが出来ます。

 

(2)あそこに・・・が見えるでしょう

 

See that pretty girl over there.(あそこに可愛い女の子がいるでしょう。) see thatはtake a look at thatの変形です。いつも同じ表現では単調なので、こんな表現も覚えておきましょう。

 

(3)・・・・かしら

 

I wonder what that big building is.(あの大きな建物は何だろう。) I wonder….は独り言としても用いられますが、相手にこちらの疑問や意図を知らせる働きもあります。(例)I wonder what time it is.(今何時かなあ。)

 

(4)まず始めに

 

To begin with, I will talk about…(まず始めに・・・・についてお話したいと思います。) first, secondly, thirdlyの方が順に使えて便利かもしれませんが、このto begin withも使えるようにしたいものです。

 

(5)あのねえ

 

You know something, Ma?”  “No, what?” “A new supermarket is going to be built behind theater.” (「ママ、あのね。」「なあに?」「新しいスーパーが劇場裏に建つんだって。」)人に話かける時に、you know somethingは便利な表現です。大抵、何かニュースを伝えたい時に使います。答えはNo, what?で十分です。

 

(6)ついでに申し上げますが

 

I’d like to mention in passing that we’ve been successful in every over seas market we’ve moved into.(ついでに申し上げますと、当社は今まで進出した海外市場では全て成功しています。) in passingは「話のついでに」の意の慣用句なので、あまり時間をおいてから言ったのでは、意味がありません。

 

(7)ときに

 

Incidentally, I went to Oshima last Saturday for fishing.(ときに、先週の土曜日、大島へ釣りに行ってきたよ。)これと似ているのがtalking (speaking of)…で「。。。。と言えば」という意味です。Talking of Clark, do you know his wife is an ex-opera singer?

 

(8)・・・・でもしようかな

 

I think I’ll stroll over to Sanju-sangendo.(三十三間堂でもぶらついてくるかな。)自問自答すると共に、口に出して言うことにより、周囲の人に自分の意図を知らせたい時に使ってみましょう。

 

(9)・・・は・・・です。

 

確信の度合いが高くなるにつれて、表現も変わります。

 

This may be a genuine pearl.(ひょっとすると本物の真珠かもしれない[偽物である可能性の方が大きい。])

This looks like a genuine pearl.(見た所、本物の真珠だね。[確信度50%])

This must be a genuine pearl.(これはきっと本物の真珠だよ。[確信度90%])

This is a genuine pearl.(これは本物の真珠だよ。[事実として語っている])

 

(10)・・・と思う

 

I think he is coming.

I believe he is coming.

I am sure he is coming.

I have no doubt he is coming.

I am positive he is coming.

同じ「・・・と思う」と言っても、I think…一点張りでは、どれくらいの確信の度合なのか分かりません。そこで、上のように区別して表現するのは如何?下の3つの表現の方が確信の度合いはぐっと増してきます。

 

(11)私の見解では

 

My view is that a big supermarket would be a success in this town.(私の見解では、大型スーパーがこの町では成功すると思います。)この他にも、As I see itという表現もあります。

As I see it, there will be more unemployed miners who have no chance of being reemployed.(私の見る所では、再就職の可能性のない失業鉱夫はもっと増えるだろう。)

 

(12)じつは

 

In this isolated fishing village, there’s very little public transportation besides boats. As a matter of fact, the bus comes around only twice a day.(この孤立した漁村では、船以外にはほとんど公共交通機関がない。事実、バスも1日に2回しか来ない。)

あることについて話していて、一つの事実を証拠として紹介したい時等に使います。また、ある事実を突然紹介する用法もあります。

As a matter of fact, I don’t love you.(本当のこと言うと私あなたを愛してなんかいないわ。)

 

 

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