初夏に相応しい漢詩をご紹介:唐詩も良いが宋詩もなかなか趣がある

さて、今回は初夏に相応しい漢詩をご紹介したいと思います。漢詩を本ブログで取上げるのは初めてですが、本ブログでは原則中國語として読んでいきます。そのことにより、ピンインを覚える訓練になります。勿論、高校時代に習った書下し文も日本の文化に深く根付いており、味わいがあるのと、又、中國人にとっても漢詩というものは教育の過程の中で隨分と叩き込まれているものであり、雙方の文化理解と共通の話題作りという観點においても両方覚えておく価値はあるかと思います。
 

 

今回ご紹介する詩は、宋の時代に活躍した政治家であり、詩人でもある王安石による詩です。(宋の時代の有名な詩人には蘇軾もいます)その名の通り、初夏の晴れた日の山川の情景を描寫したものです。聞いているだけで、少し涼しくなりそうな詩ですね!(また、以下、中國の子供向けの解説動畫もありますので併せてご確認下さい。)
 
 

出典:秒懂少兒

 

初夏即事
 王安石
石樑茅屋有彎碕
流水濺濺度両陂
晴日暖風生麥気
緑陰幽草勝花時

 

chū xià jí shì
 Wáng ānshí
shíliáng máowū yǒu wānqí
liúshuǐ jiàn jiàn dù liǎngbēi
qíngrì nuǎnfēng shēng màiqì
lùyīn yōucǎo shèng huā shí

 

以下、常用漢字に直したものと、書下し文です。

 

初夏即事
 王安石
石樑茅屋有彎碕
流水濺濺度両陂
晴日暖風生麥気
緑陰幽草勝花時

 

初夏即時(しょかそくじ)
王安石(おうあんせき)

 

石樑(せきりょう)茅屋(ぼうおく)彎碕(わんき)有り。流水(りゅうすい)、濺濺(せんせん)として両陂(りょうは)を度る。晴日(せいじつ)、暖風(だんぷう)麥気(ばくき)を生(しょう)ず。緑陰(りょくいん)、幽草(ゆうそう)、花時(かじ)に勝(まさ)れり。

 

現代語訳:石の橋、茅ぶきの家、曲がりくねった川岸。水は土手の間をさらさらと流れてゆく。晴れた日、暖かい風、ただよう麥の香。新緑の木陰、茂る草…、すべて(初夏の風景は春の)花の時よりも美しい。

 

以下、北京市観光サイトから解説を引用します。

 

中國詩勉強、王安石・「初夏即事」

 

作者、王安石は北宋の政治家、詩人、文學者。現在の江西省撫州の人。今日紹介したように素晴らしい詩、散文も殘していますが、新法を提唱し政治改革を斷行しようとしたことが知られています。結局、先輩でもある蘇軾などからの反対に遭い政治改革はできませんでしたが、政敵である蘇軾をはじめとする新法反対者からも詩人としては、評価されていたようです。確かに、いい詩が殘っています。今日紹介した詩も、とても印象的です。

 

タイトルの「初夏即事」の即事は、即興というような意味です。目の前にある初夏の景色を目に映るままに詩にしたということ。名詞を並べていくだけなのに、リズムがあって今頃の景色がくっきりと目に浮かびます。景色だけでなく、水が流れる音、木々の新緑の葉が擦れる音、麥や草の香りまで伝わります。私が子供の頃日本で、「よこはまたそがれ」という演歌が流行りました。この曲の歌詞も名詞を並べただけのものですが、ストーリーになっていて子供ながらに凄いなぁと思ったことを思い出しました。彎碕は曲がりくねった岸のこと、両陂の陂は堤や土手のことです。水が流れる両側に土手がある、つまり土手の間を水が流れているようです。濺濺は、流れる様子、日本語にすればさらさらです。

以上

 

 

最後に。中國語を始めから勉強したい、今までの教材ではイマイチよく分からない、という方には以下の動詞フォーカス中國語入門(本ブログの解説ページ:學習効果が高いおすすめ中國語教材ランキング:評判の教材を徹底比較!初級・中級者篇:ユニークかつ評判のお奨め教材上位5つをご紹介。もう教材選びで絶対迷わない!も併せてご參照)をお奨めしております。本記事が皆様の中國語學習の一助になれば幸いです。

 

 

 

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