中国語版シャドウイング、リプロダクション、アドバンス!!
今回は中国語音読の効率よい方法について説明します。発音とスピーキングを上達させる音読は、闇雲にやらずに、3段階に分けて行いましょう!!(≧▽≦)
音読で必要なのは、テキストと本文の音声データです。今回は音読のトレーニングに専念するため、ノートや単語帳は不要です。
準備ができたら、具体的に3段階のディティールについて見ていきましょう。
シャドウイング(Shadowing)とは後について読むということです。以下のように、聞いたことをそのまま繰り返し言ってみる勉強法です。
音声:今天我去超市买东西,我很累・・・・。
自分:(少し後から)今天我去超市买东西,我很累。
上記のようにまず音声を聞き、その少し後から、自分が続けて言います。その際、再生は止めないでそのまま続けていきます。
第1段階では、遅いスピードで後追い復唱します。
ここでのポイントは、暗記にこだわらず理解に集中することです。
当然ですが、余程の天才でない限り、その単元で初めて目にした新出単語・文法はメモライジング(暗記)しただけでは、すぐさま実践のスピーキングで使うことはできません。
ランニングだって、これまで全然運動してこなかった人がいきなり全速力で走ると、足首を捻挫しますよね?
なので、いきなり大怪我しないために、まずは脳内に植え込んだ知識を実践するための準備運動として、敢えて『遅いスピード』で後追い復唱します。
※特に初心者の場合、最初から普通のスピードで音読することはいたずらに自信を失うだけなので厳禁です※
遅いスピードで読む場合、新出単語・文法・発音・スピーキングの4つを習熟させるために、まずは短く区切りながら最後まで読む、というプロセスを最低5回は繰り返してください。
単語の暗記方法でも説明したように、人間の脳は覚えたばかりのことでもたった1時間で半分以上は忘れてしまいます。特にまだ中国語学習を始めて間もない頃は、脳が中国語そのものに慣れていないために、脳が中国語を「必要な情報である」と認識するまでに時間がかかります。
そのため、短時間の自学自習で2、3回ダラダラと音読しただけでは定着率を高めることはできません。
よって、5回という回数には、普通より多くこなして忘れにくくするという意味があります。
上記のプロセスが終わったら、今度は文章を区切らずに通しで10回読んでください。
10回だって・・・多くないか??(´・ω・)
と思われた方!!
高校の英語の授業を思い出してみましょう。授業では新しい単元に入った時、必ず1回か2回は先生の後に続いて本文を音読すると思います。ですが、その前に先生は必ず予習・復習のテーマ或いは宿題として
『家で3回は新しいページの文章を音読してきてください』
といったことを学生に課していたはずです。
上記の条件を真面目にこなしていれば、1単元毎の音読回数は
予習3回→授業2~3回→復習3回=8~9回
高校英語の場合、中学英語の基礎が出来ている状態が前提、且つ授業では先生がその場で日本人向けのより優しい指導をしてくれるため、この回数でも十分発音とスピーキングを習得することができます。
しかし、このサイトをご覧になっている皆さんのほとんどは、独学で中国語学習をスタートさせていることでしょう。学校では先生が教えてくれる部分も、自学自習では完全に自分で補わなければなりません。
よって、他人がサポートしてくれる分まで自分で覚える→絶対数を増やすことが必須です。慣れないうちは、何事も質<量を意識しましょう。
ただし、遅いスピードで読む段階では新出単語・文法・発音・スピーキングの4つを完璧にする必要はありません。その理由は次で説明しましょう。
第2段階では、音読の速度を普通に戻して後追い復唱します。
ここでのポイントは、最初は間違ってもいいので通して読むことです。英語でも、最初から通しで一つの間違いもなくテキストをスラスラ読めた人は誰一人いなかったはず。特にゆっくり→ノーマルとハードルを上げた際には、ゆっくりでは気づかなかった実践における発音の難点(例:そり舌音→舌面音となる言い回しetc….)等にも気づいていくことでしょう。
中国語も同様に、そうした理論と実践の違いを会得するために、最初のノーマル音読の段階では
『私はここが難しいかな・・・』というポイントを故意に浮き彫りにする必要があります。
先程、遅いスピードで読む段階で何もかもを完璧にできる必要がない、と述べたのは、ゆっくり→ノーマルへのレベルアップに伴って必然的に難所が発生するからです。
この難所を把握する作業としてのノーマル音読は、ゆっくり音読とは違い必ずしも5回~10回もの回数をこなす必要はありません。目安としては、3回程度で自分の弱点はおおよそ見当がついているでしょう。
この作業はカーレースに例えるならプラクティス実走前のシミュレーション、つまりゆっくり音読を10回以上繰り返し、頭に大まかなマップ(本文全体の概要)が入っている状態で、自己完結型の認識と実際の現場のコンディションとの摺り合わせをしているのです。
そして弱点や重要ポイントがわかったら、そこをテキストに直接マークして一度重点的に練習します。そして、慣れてきたらいよいよ実走=です。
この実走段階では、5回以上を目安としてください。ここまでであなたは既に
ゆっくりバラ読み5回+ゆっくり通し読み10回+ノーマル音読プラクティス3回+ノーマル音読実走5回以上
=23回以上!!
・・・1単元に23回以上もの回数を音読しています。
もちろん、これだけの回数を一日で一気にやりきる必要はありません。寧ろ、後ろのメニューはわざと翌日早朝のウォーミングアップメニュー等として残しておくことをお勧めします。
単語を暗記するときも1~2周目は1日目、3周目以降は次の日に・・・というスケジュール案を紹介しましたが、そもそも人間は脳の構造上、同じ作業を継続する場合、最長でも1時間半程度しか最高のコンディションで集中力を維持できません。
これを過ぎてしまうと、徐々に注意力が散漫になる→退屈を感じる→飽きる→記憶が定着しないという悪い流れができてしまいます。
つまり、どんなに苦手であっても一つのメニューのみに集中せず、その他のメニューとのバランスを考えて、自分を飽きさせない学習計画を立てていくことも、脳の記憶定着率をアップする秘訣です。
第3段階では、テキスト音声を普通のスピードで流しながら任意のタイミングで停止→再生を行い、テキストを見ずに復唱します。
リプロダクション(Reproduction)とは再生・再現のことです。
ここまで行ってきたシャドウイングでは、音声を最初から最後まで流しっぱなしでした。これから行うリプロダクションでは、ある程度の部分まで聞いたら音声を止めて、それまで聴き取った文章を自分で言う。言い終わったら、また再生する・・・を最後まで繰り返します。
音声:今天我去超市买东西。【一時停止】(自分:今天我去超市买东西。)
↓
音声:我买了苹果、橘子、西瓜。【一時停止】(自分:我买了苹果、橘子、西瓜。)
↓
終わりまで
シャドウイングは瞬間的に個々の単語の語順を認識する必要があることから、どうしても全体の繋がりで記憶が曖昧な部分が出てきます。しかしテキストという絶対のサポーターがあるため、たとえ記憶そのものが曖昧だとしても極端に言い間違えることはまずありません。
リプロダクションでは、比較的長めの文章を、自分の記憶だけを頼りに最初から最後までキチンと言い切る必要があります。曖昧な記憶では実行が難しいでしょう。そのため、リプロダクションでは、話すスピード<正確さという前提で行ってください。
正確に単語や語順を把握した上で中国語を口に出すことが、そのままリスニング対策にもなります。
リプロダクションの回数は、シャドウイングでの到達レベルによってまるっきり異なってきます。テキストを見てようやく音声に付いていける状態では、10回リプロダクションをやっても効果はほとんど期待できないでしょう。
しかし、シャドウイングの段階でテキストを見ずともほぼ基本的な文法や発音に間違いがない、且つ意味まで習熟している状態までレベルアップできていれば、5回リプロダクションをしただけでも、
守(テキストに忠実に)→破(テキストをベースに応用範囲を広げる)→離(自分の血肉となる)
の破が見えてくることでしょう。
最後に、音読メソッドの発展編を紹介します。
1つのテキストをやりこむのは大前提として、それに飽きてしまった、或いはもう極めた!などの場合はどのようにして自分のオリジナルの言語力を広げていけばよいのでしょうか?
また新しいテキストを買う?いやいや、それではお金もかかるし、またイチから似たような内容を読み進めていくのも効率が悪いですね?
自分にとって必要な単語や文法は、一人一人異なるはずです。それならばいっそ、自作の日記・作文を使ってシャドウイング→リプロダクションを行ってみましょう。
どんな言語を学ぶにしても、日記や作文は実践力をつける最適なトレーニングですが、ライティングで習得できる「熟考して使う」言語能力と、シャドウイング→リプロダクションで習得できる「即効性のある」言語能力は、いずれかの学習方法のみで一度には習得できません。
よって、自作の日記や作文によるシャドウイング→リプロダクションは、その前提として自分が興味を持った=脳が「必要と感じた」言語を使っているため、習得も早く、且つそもそもが主体的な姿勢で学習に臨むことができます。
- まとめ
シャドウイング→リプロダクションによって身につくのは、主に正確な発音・語順・リスニング力の3つです。そしてさらに大きな概念として、瞬発力=短期記憶、正確さ=長期記憶を身に着けることが最終目標です。
学校では先生について読む前提であるため、自学自習による音読トレーニングは多くの学習者が苦労していると思います。ですが、今回紹介した方法を実践すれば、暗中模索に陥らず着実に音読をマスターできます(≧▽≦)
皆さんも慣れない作業を実践するときは、慌ててあれこれ手を出す前に、必要なものを細分化→「ランク分け」していき、「思ったよりも簡単かも!」「なんだ、俺でもできるじゃん!」と納得してから実践に移しましょう!!
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