ビジネスで中国語を勉強する人へ、成語は切り捨てろ

結局、中国語の成語ってビジネスに役立つの?
んなことするより、動詞や形容詞のバリエーションを増やすほうが100倍有用です。

語学界隈で時々聞かれる話
「中国語の成語って覚えたほうが良いんでしょうか?あんなにたくさん覚えるの大変で…」
留学4年+現地採用6年、現在も中国在住の私の見解は極めて単純。
「ビジネス目的で中国語をやるなら、成語は覚えるだけムダ」
その理由は3つ…
↓↓↓↓

1. 覚える時間がムダ

ハッキリ言う、世の中の大半の中国語学習者は趣味や研究目的じゃない、
ビジネス・仕事のために正直イヤイヤ学んでるでしょ?
小中学校から英語を勉強してるのだって「試験勉強があるから」「就職で有利になるから」
超功利主義!!
 
英語でこれだから、中国語はもっとそう。
仕方ない、誰もかれもが言語オタクや学者にはなるわけじゃない。
だから私もビジネスのために中国語を学ぶことには賛成だ。
成語のビジネスの場面での役割(ロール)は一言で例えるなら
「教養≒頭が良い、カッコイイと見てもらえるためのオマケ」
何故なら、成語の9割は形容詞。
=大きい、キレイ、美しい、まるで○○のようだ、イチョウの葉が白雪が如く….
⇒どれも婉曲的で回りくどい。
ビジネスで話すような言葉、というのは得てして下記のようなものでしょう。
ビジネスで必要な言葉
  • 顧客に値下げをお願いする
  • エラーがあったから謝罪して納期を延ばして賠償を回避する
  • 他社を入札させないでください!と年度契約を更新させる
    「3万円値下げして!」
    「来月まで待ってください(T_T)」
    …これらは全て動詞=直接、ダイレクトに「こうします!」と言わなきゃならない。
    ファイナルファンタジーに例えるなら、
    動詞=メインウェポン(銃や剣)、 形容詞=サブウェポン(サプレッサー、目くらまし、毒薬etc…)だ。
    成語はサブウェポンの中でもさらにほんの一部の見栄えを良くする隠しスキルに過ぎない。
    しかもその割には習得に時間がかかって命中率も低い、コスパが悪すぎる。
    ビジネス目的で語学を勉強してる人は学生と違い、とにかく時間が限られている。
    だから勉強して結果を出したいなら、最短距離で使える単語や簡潔な表現を覚えなければ時間がムダになる。
    使用シーンが限られたレアアイテムをモンスター1000体倒して溜め込むより、
    普通にファイア、サンダー、ケアル(←最もベーシックな回復魔法)を覚えて熟練度を上げるべきでしょ?
     

    2. 外国人が覚えてもネイティブレベルには使いこなせない

    正直、10年以上中国語をやってる自分でも、
    成語は全体の2割ぐらいしか完璧に使いこなせない。
    まず外国人が本気で成語を学ぶにはあまりにも数が膨大すぎる。
    使い方まで正確にマスターしようと思ったら、
    テキストや辞書にかじりつくだけじゃ到底ネイティブのように自然には口から出ない。
    英語で言えばcut back, cut down, hand out…のような句動詞や慣用句をスラスラとネイティブのように「字面だけじゃなく比喩表現として使いこなせ」がこれに相当するが、
    我々日本人は小中高と10年以上英語を勉強しても、このレベルまで英語を極めた人を少なくとも私は見たことない。
    そもそも、そこまで極めなくたって 日常生活や限られたビジネスシーンで使うなら、
    日本人訛り全開のカタコトジャパニーズ・イングリッシュで十分。
    rとlの巻き舌の有無の違いなんて受注金額を前に気にしてられん。 中国語も同じ。
    ハッキリ言って、ビジネスのために2~3年中国語を勉強したくらいじゃ、5万語以上あると言われてる、HSKの10倍以上もボリューミーな成語をマスターできません。
    相手は朝起きて歯磨き~昼は仕事~夜は彼女とデート~スマホいじって寝る…何から何まで中国語の人達。
    このレベルまで成語を使いこなそうと思ったら、それこそ生活の全てを中国語にどっぷり浸かってレベルアップまで必要経験値をためなければならない。
    しかしそうやって苦労して経験値を溜めきった割に、強くなったと実感できない。
     
    難しい成語を顧客に言っても
    「ふーん、で本題だけど…」
    …で終わり。
     
    政府高官と茶館でお茶飲みながらやるような場面ならまだしも、少なくともビジネスで会うようなサラリーマン中国人は、もっとリアリストで短期的です。
     

    3. ビジネス現場じゃパワポ内でしか見かけない

    それでも成語を使う場面はあるにはある、それはパワポ資料だ。
    パワポの冒頭や締めくくりにちょろっと挨拶程度に成語を使うと見栄えが良い、せいぜいそのくらい。
    (パワポ資料も普通頭とお尻はテンプレだから、実用性とは程遠い…)
    勿論、メインとなる内容部分に成語を使う人もいるにはいるが、 ちょっとでも文学的な表現は容赦無く修正されます。
    一例を挙げると、 私が大口顧客とのトラブル対応の際に、同僚が作成したパワポには、
    「呼ばれたら何時でも向かいます」というフレーズが成語で表現されていた。
    その成語は 「随叫随到 suí jiào suí dào=呼ばれたら何時でも向かいます」というのだが、
    このプレゼン資料をウチの上司(中国人)がチェックした時、ピシャリと一言、
    「この部分はダメ、冗長でビジネス文体じゃない」
     
    そしてこの成語は、
    「随时到岗 suí shí dào gǎng=何時でも持ち場に着きます」という4文字に修正された。
    同じ4文字だけど、前者は成語、後者は時制+離合詞(要するに動詞)。
     
    成語はSVO(主語、述語、目的語)がボヤけるから誤解や曲解、相手に揚げ足を取られるリスクを生みやすい。
     
    PO一枚で数千万円、数億円を動かす緊迫したビジネスシーンでそんな迂闊なことをする部下を、あなたが上司なら優しく許せますか?
     

    ★結論

    ビジネスで中国語を早く覚えたい人は、
    成語なんてコスパ悪&大してバフがかからない(=強化されない)オマケ要素に時間をかけず、
    もっと普通の動詞や形容詞のバリエーションを増やしましょう。
    このアカウントでは、今日からビジネスで使える動詞や形容詞、フレーズを皆さんにシェアしていきます。
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