中国の七夕は、笹の葉=竹叶 zhú yè??、えっ、竹だって??
7月7日は七夕、祝日が大きく異なる日本と中国で、珍しく同じ日に行われる節句です。
七夕と言えば、日本では主に子供の頃に幼稚園や小学校の行事の一環として短冊に願い事を書いて過ごす・・・そんな節句だろうという認識が強いかもしれません。運営者も幼少期は上記のように七夕を過ごしたものです💦
では、同じ日に中国ではどのように七夕を過ごすのでしょうか?実は、中国では七夕は「女性を祝う節句」として認識されているのです。
中国は、今日の日本のレディースデーなんて比にならないほど女性を祝うイベントが多いものですが、七夕もその一つだったのです。
今回は、日本とはちょっと違う中国の七夕文化を紹介をしながら、そこから関連する中国語と中国文化を学んで行きましょう!!
笹の葉=竹叶 zhú yè??色々と違う名前
まず、日本と中国ではそもそも七夕に関連する登場人物の単語が違います。
例えば、日本の七夕の主人公は「織姫」と「彦星」ですが、中国では織姫は「織女(しょくじょ)=织女 zhī nǚ 」、彦星は「牛郎(ぎゅうろう)=牛郎 niú láng」と言います。
- 牛郎 niú láng 彦星
- 织女 zhī nǚ 織姫
- 星河/天河 xīng hé/tiān hé 天の川
- 鹊桥 què qiáo カササギの橋
- 竹叶 zhú yè 笹の葉
- 心愿 xīn yuàn 願い事
- 纸条/长条诗笺 zhǐ tiáo/cháng tiáo shī jiān 短冊
- 纸鹤 zhǐ hè 折り鶴
- 织女星 zhī nǚ xīng ベガ
- 牵牛星 qiān niú xīng アルタイル
七夕の歴史は古く、すでに2000年以上前、中国の前漢時代(B.C.206年-A.D.8年)にはその元となる話が存在し、南北朝時代(439年-589年)には現在まで伝わる以下のようなストーリーがほぼ完成していました。
天空でいちばんえらい神様「天帝(てんてい)」には、「織女(しょくじょ)」という娘がいました。織女は神様たちの着物の布を織る仕事をしており、天の川のほとりで毎日熱心に機(はた)を織っていました。遊びもせず、恋人もいない織女をかわいそうに思った天帝は、天の川の対岸で牛を飼っているまじめな青年「牽牛(けんぎゅう)」を織女に引き合わせ、やがて二人は結婚しました。
結婚してからというもの、二人は毎日遊んで暮らしていました。織女が機を織らなくなったので、神様たちの着物はすりきれてぼろぼろになり、牽牛が牛の世話をしなくなったので、牛はやせ細り、病気になってしまいました。
これに怒った天帝は、二人を天の川の両岸に引き離してしまいました。しかし、二人は悲しみのあまり毎日泣き暮らし、仕事になりません。かわいそうに思った天帝は、二人が毎日まじめに働くなら、年に1度、7月7日の夜に会わせてやると約束しました。
日本で七夕の文化が伝わったのは奈良時代ですが、短冊や折り鶴に願い事を書いて笹に掛ける、という文化は元々中国にはない日本独特のものです。ちなみに、笹は中国語では小竹 xiǎo zhú と言います。
笹に掛ける願い事は、元々は織姫のように機織り・手芸が上手になりますように、という「願掛け」の意味がありました。それが江戸時代以降になっていわゆる「青・赤・黄・ 白・黒・(紫)」の5色の短冊を使うようになってから、「星に願いを」のような願い事を書くようになっていったのです。
中国語では「願い事を書く」は、以下のように言います。
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我在纸条上写心愿。
wǒ zài zhǐ tiáo shang xiě xīn yuàn.
訳:短冊に願い事を書く。
在日本七夕节有在长条诗笺上写自己的心愿,梦想的习俗。
zài rì běn qī xī jié yǒu zài cháng tiáo shī jiān shang xiě zì jǐ de xīn yuàn,mèng xiǎng de xí sú.
訳:日本の七夕は短冊に自分の願い事や夢を書く習慣があるんですよ。
今回紹介したような四季折々のイベントや教科書にない実用的な単語・文法の数々は、本ブログの他にInstagramでもたくさん紹介しています!!もっと色々なことについて知りたいという皆さんは、こちらもよろしくお願いします(;^ω^)
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七夕は女の子の節句??
上記の通り、日本では主に子供が喜ぶ節句として認識されていますが、中国では七夕は中国独自のバレンタインデーであると認識されています。
- 情人节 qíng rén jié バレンタインデー
- 白色情人节 bái sè qíng rén jié ホワイトデー
- 中国情人节 zhōng guó qíng rén jié 中国のバレンタインデー
中国は元々旧暦の日付(2021年はカレンダーの8月14日!!)で七夕を祝っていましたが、現在ではほとんどの人が世界共通のカレンダー通りに七夕をお祝いします。ですが、その内容は女性をメインとして扱う節句となっています。
その文化の由来は、中国では元々女性は家庭で針仕事をすることが求められていました。そこで裁縫に長けていた手先が器用な織姫にあやかって、7月7日になったら女の子が針に糸を通すという風習が生まれました。
他には7月7日になったら蜘蛛を箱に入れて、翌日蜘蛛が箱の中に張っている蜘蛛の巣の様子を見て、蜘蛛の巣が綺麗であればその女の子は手先が器用になる、という風習もあります。
その他、地方によっては女性が爪を塗める、織姫を崇めるといった儀式を行ったりもします。特に私がいる広東省では、織姫を七娘 qī niáng、七姐 qī jiěと呼び、7月7日になったら織姫を崇める「拜七姐 bài qī jiě 」という儀式が行われます。
広東省の拜七姐 bài qī jiěに関連するモニュメントは、こちらからご覧ください。
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赏贡案、拜七姐…在东莞,七夕还可以这样过! (qq.com)
以上のように、中国では七夕は女性の祝祭日であるという認識が強く残っています。現代では女性の裁縫の上達を願うことは少なくなっており、今度は女性のロマンチックな恋愛の理想を叶える日になってしまったようです💦
七夕は先日の618やダブルイレブン(双十一 shuāng shí yī 11月11日)と比べたらさほどの盛況はないですが、女性によってはこの日に結婚を望む人もいるんだとか。そういうわけか、中国大手ネットショップのタオバオでは高価なアクセサリーや指輪が堂々と売られていますね。
上記の理由で、この日をプロポーズの日と決めている男性もいるようです。
ちなみに、プロポーズは以下のような言葉を使うといいでしょう。
你嫁给我吧。
nǐ jià gěi wǒ ba.
訳:結婚してください(僕に嫁いでくれ)。
今回は趣向を変えて文化紹介をしましたが、時にはビジネスや学習から離れて伝統文化の由来について調べてみると、意外なヒントが見つかるかもしれませんよ?
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