歴史好きに朗報!!歴史で中国語を学習できる話題の教材、早速使ってみました!!
運営者はゲームのみならず、大学院でも中国史を専攻するほど、中国の歴史が大好きです。
中国語を学び始めた当初は、
歴史で中国語を学べる教材があれば面白いのかな?
・・・と思いながら中国語教材を探したこともあります。でも実際にはなかなか見つからない・・・・
しかし今年に入ってから、満を持してついに出ましたね・・・
それが今回紹介する『三国志で楽しく学ぶ中国語 初級編』です。
歴史好きとしてはこれを見て黙っているはずがない!!
というわけで、早速購入・使ってみました。
今回は、このとても個性的な中国語教材を、筆者が実際に使ってみた感想や、良かった点、気づいた点など詳しくまとめてみました。
三国志の歴史(赤壁まで)を学びながら、中国語を基礎から学ぶことができる
このテキストの一番の特徴、それは言うまでもなく全ての内容が三国志と関連していることです。
このテキストは、カバーをご覧の通り横山光輝(よこやま みつてる)氏の漫画『三国志』をベースとしており、大きく分けて以下の3つのパートで構成されています。
①赤壁前史
②発音
③文法
①赤壁前史では三国志の大まかなあらすじや各戦いの簡単な紹介など、主に三国志に関する知識と解説です。
②発音パートでは中国語を学習するうえで重要な発音を一から解説しています。
③文法パートでは超基本な文法から、少し応用的なものまで、一通りの文法は網羅されています。
(『三国志で学ぶ中国語 初級編』P4-5、目次より引用)
上図のように、このテキストは1課から12課で構成されています。
1課が赤壁前史、2課・3課が発音、そして4課以降が文法の学習といった内容です。
4課以降から具体的に文法の学習になるのですが、各課のタイトルが戦いの名前になっていたり、三国志のストーリー中の印象的な出来事であったりと、とても個性的です。
例えば、第5課「長坂の戦い」や第9課「十万本の矢」の話など、タイトルがとっても引き付けられますよね。
また、随所三国志に関するコラムなども挟まれているので、それを読むだけでも三国志ファンの人なら大満足間違いなしです。
次に、このテキストの中国語参考書としてのレベルですが、タイトルの通り完全な初心者向けです。
中国語の歴史・成り立ちから、母音・子音・ピンイン・四声・声調など、中国語をゼロから勉強し始める学習者にとっても、十分な内容と言えるでしょう。
中国語学習初心者にとって最もハードルが高いのは発音で、学習者のほとんどがここで挫折してしまうのですが、こちらのテキストでは、以下のような大きな図説によってシンプルでわかりやすい解説してくれるので、とても理解しやすくなっています。
(『三国志で学ぶ中国語 初級編』P24、中国語の発音より引用)
※音声に関してですが、一つ注意点があります。こちらの本には、お手本の音声のCDやダウンロードデータなどは付属していません。
その代わりに、各項目のページの右上にQRコードがあり、そちらから音声を確認することができます。
QRコードを携帯で読み取るとYouTubeのページに飛び、実際の発音を確認することができます。
↓↓↓こちらがYouTubeの実際のページです↓↓↓
(※QRコードからではなく、Youtube上から普通に検索してもこちらのページは出ませんのでご注意を。)
運営者も実際に聞いてみましたが、中国人の男女が役になりきってセリフや単語を読んでいて、とても面白かったです。一つ一つをはっきり、
丁寧に発音してくれるので、とても聞き取りやすかったのもよかったです。
また、各章のQRコードはそれぞれ独立しており、CDのように1章から最終章まで聞き流すようなことはできないようです。
文章中の例文が三国志の登場人物(劉備、関羽、張飛etc….)なので、楽しく勉強できる
このテキストでは、文中に出てくる例文や単語なども全てが三国志に出てくる用語で構成されています。
具体的な例を少し見てみましょう。
例:「A是B」(AはBです)
一般的な参考書 | 三国志で楽しく学ぶ中国語 |
Wǒ shì rìběn rén 我 是 日本人 ウォー シー リーベンレン 意味:私は日本人です |
Zhāng fēi shì wǔjiàng 张飞 是 武将 ジャンフェイ シー ウージャン 意味:張飛は武将です |
日常生活で、「武将」という単語を使う場面は一般的にはあまり多くはないでしょう。
ですが、この「三国志で楽しく学ぶ中国語」では、単語でいうと「武将」「赤兎馬」「軍隊」「兵士」、人名で言うと「曹操」「張飛」「関羽」など例文中の人名や単語は、ほぼ三国志に出てくる人名で構成されています。
また、三国志の有名な場面や名言なども載っているので、中国語でどのように表現するかを勉強することができます。
三国志の有名なシーンの一つに「三顧の礼(さんこのれい)」というものがあります。
地位が高く目上の立場であっても、賢人に対して自ら物事を頼むことが大切である、という意味です。
これは、劉備玄徳が無位無冠の諸葛孔明を軍事として迎えるため、何度も訪れてスカウトした結果、諸葛孔明が劉備の真摯さに心打たれて劉備に仕えるきっかけになったことがこの言葉の由来となっています。
タイトルである「三顧の礼」を中国語では「三顾茅庐 Sān gù máo lú」と表現するんですね~
(『三国志で学ぶ中国語 初級編』P30、三顧の礼より引用)
このページは登場人物が劉備と諸葛亮の弟・諸葛均(しょかつきん)ですね!
劉備が諸葛均に「你是孔明的弟弟吗(あなたは孔明の弟ですか?)」と質問し、それに対して 諸葛均は「对,我是他弟弟(はい、私は彼の弟です)」と答えていますね。
これは一般的な参考書だと、劉備が田中さんやリーさんといった固有名詞になりますね。それを劉備や諸葛亮に置き換えることで、とても記憶に残りやすいですよね!!
つまりこの本は、三国志が大好き!!といった方にはこれ以上ない素晴らしい参考書と言えるでしょう!
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QRコードから渡邊 義浩教授の解説講義を見ることができる
このテキストの著者、渡邉義浩(わたなべ よしひろ)氏ですが、実はこの方、とってもすごい人なんです!
(画像引用元:http://ywata.gakkaisv.org/)
この渡邉義浩氏ですが、なんと現職の早稲田大学理事・文学学術院教授であり大隈記念早稲田佐賀学園理事長をされています。
日本で三国志の研究者と言えば渡邉義浩氏というくらい、界隈では知る人ぞ知る有名人です。
実は運営者、河南大学に留学していた当時、なんとなんと実際に渡邊義浩氏と直接お話しをさせていただいたこともあり、当時はとても感動しました!!!
各課に渡邉義浩氏のコラムが付いており、しかも書の中のQRコードから渡邊先生の「とても分かり易い三国志の解説動画」を見ることができるのです!
三国志ファンにとっては、この解説動画を見られるだけでも、この本を買った価値は大いにあると思います。
しかも解説動画は一時間越えの超大作!
三国志をまったく知らない人でも、渡辺教授が丁寧にわかりやすく解説してくれるのでまったく問題ありません。
とっても有名な渡辺教授の解説動画を視聴でき、コラムを読めるだけでも十分満足なのに、その上中国語を基礎から勉強できるなんて!一石二鳥ですね!
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よかった点・気になった点
では、最後に運営者が実際に使ってみてよかった点と、少し気になった点をご紹介します。
- 中国語を基礎から復習できる
- 三国志をより好きになれる
- 三国志に関する中国語の語彙を楽しく増やせる
中国語を基礎から復習できる
この本は、中国語の基礎を一から勉強できるので、改めて中国語の基礎から勉強をし直すことができました。
あらためて基礎を勉強しなおすと、新しい発見やあやふやだった知識などをあぶり出すことができ、とても良い勉強になりました。
三国志をより好きになれる
今回この本を読み渡邉義浩教授のコラムを読んだり解説動画を見ることで、
改めて三国志の事を好きになりました。やっぱり、三国志ってかっこいいですね!!
三国志に関する中国語の語彙を楽しく増やせる
この本には、三国志に関する中国語がいたるところにちりばめられています。
棍棒、蔡瑁、百羽扇など、日常会話ではなかなか触れ合うことのできない、
三国志ならではの中国語の語彙を増やすことができました。
- QRコードでの音声の確認方法が少し手間だと感じた
- 復習のページの答えがない
QRコードでの音声の確認方法が少し手間
各課それぞれ音声のQRコードが付いており、携帯でQRコードを読みこむことで音声の確認ができます。
そしてQRコードはYOUTUBEの動画にリンクされています。
個人的な感想ですが、音声を確認するたびに、
QRコードを読み込まなければならないのが少し面倒だなと感じました。
また、何度も繰り返し聞いて練習したいという勉強方法をしたい方には、
自分でダウンロード方法の工夫などをする必要があり、このQRコードのやり方では難しいかな?と感じました。
ですが、逆に言うとスマホさえあればどこでも音声が聞けるというのは大きな強みだと言えます。
確認したいときに、ピンポイントに確認ができるのも大きなメリットです。
復習のページの答えがない
各課の最終ページにその課の復習テストのページがあるのですが、そのテストの答えが明確に載っていませんでした。
明確に、という意味は、復習テストの問題は、その課で出てきた例文や単語などを組み合わせて作られおり、回答を自分なりに書いた後に自分でその答えをその課の例文や単語から見つける必要があるという意味です。
これが正しい答え!というのは明記されていないので、本当に正しいのかが判断が不安になってしまう恐れがあるかもしれないと思いました。
まとめ
今回は「三国志で楽しく学ぶ中国語 初級編」をご紹介しました。中国語の参考書としても、三国志の参考書としてもどちらも大満足な内容でした。
また、今回ご紹介したのは「初級編」でしたが、今のところ「中級編」「上級編」などは発売されていないようです。今後の発売に期待ですね!
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